タイトルから見ると、なんとなく女性からの質問のように思えますが、そうでもないかもしれません。住宅メーカーで多くの顧客に接してきた経験からすると、男性も本音の部分で女性に収入があると楽なようです。
確かに結婚相手の収入が少ないと、結婚後の生活に苦労が伴いそうで、少しでも高い収入を望むのも自然な感情でしょう。とはいっても玉の輿を望むのも非現実的です。結婚相手はどのくらいの収入があればよいのでしょうか。
あなたの収入はどのくらい?
相手の収入を考える前に自分の状況を確認してみましょう。例えば……
- 同年代の平均レベルと同等の収入がある。それより高いまたは低い。
- 安定した正社員である。
- 今は収入が少ないけど、資格を持っている(取得予定含む)ので次第に収入アップの予定。
その他、さまざまな角度から現在の状況を確認してみましょう。現在の自分の収入や状況に見合った生活が基本であり、結婚直後に求めてよい生活水準だと思います。自分がそうではないのに、努力して勉強して高収入でバリバリ働いている相手を望むのは無理というもので、現実的ではありません。高収入の相手を望むのであれば、努力してそれにふさわしい立場になるのが一番です。
反対に一生懸命勉強して、男女を問わず仕事も頑張って高収入の方が、どういう相手を求めるでしょうか。家事全般をサポートしてくれる人でしょうか。自分同様に努力している人でしょうか。専業主婦(夫)を求めたとしても、結婚までは自分同様に努力してきた人ではないでしょうか。
相手の収入は基本的に、独立して生計を立てられる金額以上で、かつ自分と同等の収入があればよいのではと思います。社会人1年生程度の収入でも、皆なんとか生活しているはずです。二人で働けば子供も育てられる金額にはなるでしょう。生活のレベルアップをしたいのであれば二人で頑張ればよいと思います。自立した二人が協力して頑張れば、一人の時よりも成果が出やすいはずです。
「民間給与実態統計調査」国税庁(令和元年)によると、各年齢の平均給与は以下の通りです。中央値は少し低くなります。なお、統計値は会社規模や職種、地域など別のデータもありますので、元の統計値を参照ください。
自立していれば、給与は二の次?
相手により多くを求めるのは、その分自分が自立していないのではないでしょうか。結婚は自立した二人が行うものだと思っています。もちろん完全な人間はいないので、互いに補い、助け合って生活していくのですが、それはもたれあいとは違うはずです。自立し一般的な収入があり、相手にも自立して一般的な収入がある人を望み、その相手を好きであれば、その先は大した問題ではないように思います。その先は、「少ないより多い方がよい」程度で十分ではないかと思います。
多様化する「豊かさ」の基準
「ソロキャンプ」「車中泊」「田舎暮らし」「ポツンと一軒家」……あえて不便を楽しむ、スローライフ的なスタイルが注目されています。以前から専門の雑誌などもあり人気はあったと思いますが、ここ数年で飛躍的に一般化したと思います。100均ショップにもキャンプ用具コーナーがあるくらいで、本屋にも専用のコーナーがあります。
おそらく、意識するか否かにかかわらず、都会人の物質依存、既成のサービス依存の生活スタイルに疲弊してきた結果、「便利ではないけど、工夫していくことが楽しい」「お金ではない豊かさ」を求め始めたのではないでしょうか。
私も二地域居住をしていましたが、おいしいレストランが無くても、頻繁に友達と会えなくても、映画やコンサートなどに行けなくても、二重生活で金銭的には窮屈でも、庭に自然に生えている草を料理して食べればそれだけで楽しめます。コロナ禍により、多様な働き方や暮らし方が、より身近なものになりました。
それぞれさまざまな考えもあるとは思いますが、個人的には自らも世間並みの収入を確保し、二人で働けばよいと思います。国税庁の統計の他に総務省統計局は定期的に家計調査結果を発表しています。同年代などの条件が似ている層の収入や支出はいつでもチェックできます。「一億総中流」などと言われた時代もありましたが、一億総中流はなかなか居心地が良いものです。少しランク上の相手と結婚したいのであれば、その分自分も努力してみましょう。