音楽家の坂本龍一が、TBSの「戦後76年プロジェクト つなぐ、つながる」にテーマ曲を提供する。
76年前の戦争の記憶は確実に薄れてきている。当時10代だった人が、いま80代後半から90代に。語れる時間は限られている。戦争の記憶をこれから先どう「つないで」いくか、二度と戦争を起こすことなく、未来の平和にどう「つなげて」いくかは大きな課題だ。
今夏、TBSでは、「戦後76年プロジェクト つなぐ、つながる」と題し、戦争体験者の「孫世代」に焦点をあてる。8月9日から終戦の日の8月15日までの1週間、「孫世代」と一緒に「つなぐ、つながる」をテーマに様々な取り組みを行っていく。
8月9日から13日の間、『JNNニュース』(『ひるおび!』内 11:30~)、『Nスタ』(15:49~)、『NEWS23』(月曜~木曜23:00~、金曜23:30~)では、連日76年前の戦争、そして現代の戦争を扱う特集企画を放送。それぞれの特集に「孫世代」が登場し、教訓を次世代につないでいく。また14日の『報道特集』(17:30~)、15日の『サンデーモーニング』(8:00~)、『Nスタ(日曜版)』(17:30~)でも特集コーナーを放送予定だ。
さらに15日に特別番組『戦後76年「つなぐ、つながる」SPへいわとせんそう ~戦場からのメッセージ~』(15:30~)を届ける。この特別番組では、日本を代表する詩人の谷川俊太郎と、イラストレーターNoritakeによる絵本「へいわとせんそう」(ブロンズ新社)からも着想を得て、いまに「つながる」戦場からのメッセージを伝える。
また、「孫世代」になじみの深いSNSを使って新たな試みを行っていく。まず、全国の「孫世代」に「自ら祖父母に、戦争の記憶を直接聞こう」と呼びかける。感染対策に気を配り、離れて暮らしているならリモートで聞くのがおすすめとのこと。そしてその様子を、TikTokをはじめとするSNSで、共通のハッシュタグ「#きおくをつなごう」をつけて投稿してもらう。このハッシュタグキャンペーンを通じて、「孫世代」が戦争を“自分事”としてとらえること、貴重な証を未来につないでいくことの両方が期待できる。印象的な投稿については、地上波の番組でも取り上げていく予定だという。
放送とSNSが一体となって進められる「戦後76年プロジェクト つなぐ、つながる」。そのテーマ曲を提供するのは、坂本龍一。永遠の名曲「戦場のメリークリスマス」の最新バージョン、「Merry Christmas Mr. Lawrence - version 2020」。昨年12月12日のオンラインコンサートで、坂本がピアノ演奏した音源を、このプロジェクトのため特別にミックスした。そして、ロゴを含めたメインビジュアルは、Noritakeが描き下ろした。
■坂本龍一コメント
戦争が起きてほしくない。
戦争は、自国、敵国の差なく、ただ若い兵士と無辜の民を傷つけ殺す。
なぜ戦争がなくならないのか。
なぜ戦争を起こそうとする人間がいるのか。
戦争で利益を得ることに倫理的に耐えられる人間がいるのか。
今も世界のあちらこちらで子供の上に爆弾が落とされている。
なぜ私たちは止められないのか。
坂本龍一
(C)TBS