ヤマハ発動機は、同社が発売する電動アシスト自転車「ヤマハPAS」に関するシニア需要の状況について発表した。

「ヤマハPAS」は、ヤマハ発動機が1993年に発売した世界初の電動アシスト自転車だ。その手軽さや利便性が支持され、国内需要は現在も毎年約8%の伸長を見せており、直近の10年間ではおよそ2倍の74万台(年間/2020年実績)まで成長したという。

同社SPV事業部の黒沢大介氏によると、四半世紀前、電動アシスト自転車という新しい乗りものが出た際、最初に価値を感じ取ったのはシニア世代だったという。その後、普及が進むにつれて子育て世代や通勤・通学、レジャーなど利用者や用途は広がっているが、今なおシニア需要は堅調に伸び続けているそうだ。

「私たちは、年齢を重ねてなお好奇心旺盛なこの世代の皆さんをプラチナエイジと呼ばせていただいています。電動アシスト自転車は、そうした皆さんの行動をよりアクティブに掻き立てる移動具です。その理念は"かんたん操作モデル"と呼ばれるカテゴリーのきっかけを作った、初代『PAS SION』(2014年発売)の導入時から変わりません」(黒沢氏)

プラチナエイジの購入形態の特徴のひとつとして、プレゼント需要が多いことが挙げられるという。誕生日祝いのほか、近年は「免許返納後の移動手段」や「車格の大きなモデルからの乗り換え」として家族からプレゼントする傾向も増えていると同社は分析する。

  • 「PAS SION」はよりまたがりやすくなった低床U字フレームなど「またがりやすさ」も特徴だ

同社の電動アシスト自転車のなかでも、"かんたん操作モデル"の「PAS SION」シリーズはプラチナエイジから高い支持を受けている製品だ。最新モデル「PAS SION-U」(20型/24型)では、圧倒的な「またがりやすさ」と「操作のしやすさ」、「軽い車体」、そして若々しい印象の「カラー&デザイン」を特徴にしているという。

「体力の衰えを感じている方でも発進や坂道、向かい風がよりラクに感じるアシスト設定や、漕ぎやすさに直結するクランク長の設定、さらには乗り心地の良いタイヤ、見やすく使いやすいスイッチなど、本当に細かい部分にまで配慮しています」と黒沢氏。

また同社では、幅広い人々に健康的でアクティブな日常を届けるために、警察や各種団体と協力し、電動アシスト自転車の所有者や購入を検討する方を対象にした安全講習会も開いている。

プラチナエイジのアクティブな日常生活をサポートする移動手段として、電動アシスト自転車は今後ますます注目が高まっていきそうだ。