ホンダは小型SUVの新型「ヴェゼル」を発売する。価格はガソリンエンジン搭載車が227.92万円~249.92万円、ハイブリッド(HV)が265.87万円~329.89万円。販売計画台数は月間5,000台だ。HVは2モーターの「e:HEV」を搭載。電動感を強調した静かでシームレスな走りが楽しめるという。
状況に合わせて走り方が変わる?
新型ヴェゼルのグレード展開は「G」「eHEV X」「e:HEV Z」「e:HEV PLaY」の4種類。「G」は1.5L DOHC i-VTECエンジン、残りの3グレードは同じエンジンに2つのモーターを組み合わせたホンダ独自のHVシステム「e:HEV」(イーエイチイーブイ)を搭載する。PLaYは前輪駆動(FF)のみで、それ以外はFFか4WDを選択可能。ホンダとしては、「e:HEV Z」を販売のメインとなるグレードだと見込んでいる。
e:HEVは小型車「フィット」に搭載したものをベースとしてSUVに最適化。バッテリーの容量をアップし、ユニットの出力を向上させてある。走行性能として特徴的なのは、状況に応じて3つの異なる走り方を使い分けること。発進時や街中での走行はエンジンを停止させ、バッテリーの電力でモーターを回して走る「EVドライブ」、力強い加速時にはエンジンを発電に使う「ハイブリッドドライブ」、高速クルーズ時はエンジンとタイヤを直結させる「エンジンドライブ」を選択し、走りの効率化を図る。
SUVの人気は世界的に高まっており、日本での販売台数も小型を中心に右肩上がりだ。2020年の国内SUV販売台数は約71万台で、登録車市場におけるシェアは29%に拡大。セグメントの規模でいくと、ミニバンを抜いて全体で2番目の大きさとなった。1位はコンパクト・ハッチの84万台で、ミニバンは51万台だ。
先代ヴェゼルの発売は2013年12月だった。これまでに累計45万台が売れていて、SUVの年間販売台数No.1を計4回獲得している(直近は2019年)。発売から7年が経過していることを考えると、まだまだ根強い人気を維持していたヴェゼルだが、ホンダは思い切ってイメージチェンジを図ってきた。先代モデル同様、その新規性で多くのユーザーを振り向かせることができるのかに注目したい。ちなみに、事前受注を取り始めてから3週間ほどが経過していた4月上旬の取材時で受注台数は1.3万台を突破していた。