サントリー食品インターナショナルは、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」をリニューアルし、4月13日から全国で発売する。今回のリニューアルで、650mlおよび600mlの同製品はすべてリサイクル素材100%ペットボトルの「またあえるボトル」に変更する。リニューアルに当たり、サントリーグループのペットボトルの「ボトルtoボトル」水平リサイクルへの取り組みと「またあえるボトル」プロジェクトの発表が4月12日に行われた。
ペットボトルからペットボトルへ「またあえるボトル」プロジェクト
同発表会の冒頭では、サントリーホールディングス 執行役員 コーポレートサステナビリティ推進本部長 福本ともみ氏が登壇。サントリーでは、循環型かつ脱炭素社会への変革を先導するべく、持続可能な社会を実現するための「プラスチック基本方針」を2019年に策定している。
ペットボトルについては、2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルを、リサイクル素材あるいは植物由来素材100%に切り替え、新たな化石由来原料の使用ゼロの実現を目指す。国内でも2030年にサステナブルボトル100%を目指しているが、国内ではリサイクルペットボトルの使用比率は20年実績で26%となっており、当初予定していた使用比率50%を2025年に達成する目標を、2022年へ3年前倒しするという。
この取り組みに重要視していることが、使用済みペットボトルから新しいペットボトルにリサイクルする「ボトルtoボトル」の水平リサイクルの推進だという。現状ペットボトルのリサイクル率は90%近いものの、ペットボトルとしてのリサイクルは1~2割程度で、トレーや繊維などペットボトルに戻れないリサイクル方法が多いそう。サントリーでは新たな化石原料を使わず、半永久的に「ペットボトル」として循環できる「ボトルtoボトル」を目指していく。
「ボトルtoボトル」の取り組みには「つくる」「つかう」「つたえる」「あつめる」とうい4つのキーワードがあると福本氏は語る。サントリーでは「つくる」「つかう」分野は業界に先駆けて10年ほど前から取り組んでおり、2012年には国内飲料業界では初となるリサイクル素材100%のペットボトルの導入や、CO2排出量を従来よりも低減する世界初の「FtoP ダイレクトリサイクル技術」の共同開発開発などを行っている。
続いて、サントリー食品インターナショナル コミュニケーション本部長の和田龍夫氏から、「ボトルtoボトル」ペットボトルリサイクルの取り組みを加速させるための「またあえるボトル」プロジェクトの発表が行われた。
このプロジェクトでは、「つくる」「つかう」はもちろんのこと、良質な使用済みペットボトルを「あつめる」、「ボトルtoボトル」水平リサイクルの有用性を消費者に「つたえる」活動も強化するという。
今回、リサイクル素材や植物由来素材を100%使用したサステナブルなペットボトルを「またあえるボトル」と命名したことが発表された。「ペットボトルのリサイクルに関する認識は広く持ってもらっていますが、"近年、技術革新が進んでペットボトルが何度も繰り返し再生できること"や、"水平リサイクルを循環させて化石由来原料の使用をゼロにできること"はお客様にまだ浸透していません。『またあえるボトル』を通して、"ペットボトルは適切にリサイクルされることにより、何度も循環する資源"であることを伝えていきたい」と和田氏は語った。
「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」が「またあえるボトル」に
「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」リニューアルでは、650mlおよび600ml製品でリサイクル素材100%のペットボトルを使用し、商品ラベルに「またあえるボトル」ロゴマークを記載する。このリニューアルで、化石由来原料から新たにつくられるプラスチックを約4,500トン、CO2排出量を約6,200トン削減する計画だという(※「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 650ml」「同 600ml」2021年出荷計画数量より同社が試算)。
また、リニューアルに伴い、"資源の循環"をテーマにしたコンセプトムービー「ムギちゃんとふしぎなおじさん」が公開された。ブランドキャラクターである「ムギちゃん」と、佐藤二朗さんが演じる新キャラクター「またあえるボトル」を起用しており、ペットボトルは何度も循環する資源であることをわかりやすくユニークに伝える。
発表会では佐藤二朗さんとムギちゃんも登場。撮影秘話や、コンセプトムービーの再現も行われた。