西山女王3連覇か、それとも伊藤沙恵女流三段が初戴冠か
第14期マイナビ女子オープン五番勝負(主催:マイナビ)の第1局が4月6日に神奈川県「元湯 陣屋」で行われます。2021年度最初の女流タイトル戦で対決するのは、タイトルホルダーの西山朋佳女王と、挑戦者の伊藤沙恵女流三段です。
4月1日に奨励会を三段で退会した西山女王。三段リーグで次点を獲得し、四段昇段にあと一歩のところまで迫っていただけに、その決断は将棋ファンに大きな驚きを与えました。これからは心機一転、女流棋士として活動していくことになります。
西山女王はすでに女流タイトル8つのうち、3つ(マイナビ女子オープン、女流王座戦、女流王将戦)を保持しています。これら3つは奨励会員にも参加資格のある棋戦です。一方、新設されたばかりのヒューリック杯白玲戦を除く、残り4棋戦はこれまでは参加資格がありませんでした。しかし、女流棋士となったことで今後は参加可能となります。
西山女王の女流転向後の初戦は、3連覇を目指すマイナビ女子オープンの防衛戦です。挑戦者として名乗りを上げたのは伊藤女流三段でした。
伊藤女流三段も元奨励会員。2014年に奨励会を1級で退会し、女流棋士に転向しました。その後タイトル戦に7回登場する活躍を見せていますが、まだタイトル獲得には届いていません。8度目の挑戦となる今回で、初戴冠を目指します。
西山女王と伊藤女流三段の過去の対戦成績は、西山女王の5勝1敗。初対決は両者ともまだ奨励会員だった、2014年8月の第4期リコー杯女流王座戦本戦準決勝でした。その後2019年には、第41期霧島酒造杯女流王将戦挑戦者決定戦と第9期リコー杯女流王座戦挑戦者決定戦という大舞台で激突。どちらも西山女王が制し、そのまま2棋戦ともタイトル奪取に成功しています。
現在、女流タイトルは西山女王(女流王座・女流王将)と里見香奈女流四冠(清麗・女流名人・女流王位・倉敷藤花)で二分する状況となっています。西山女王が女王のタイトルを防衛し、女流棋界制覇へと踏み出すのか。それとも伊藤女流三段が初タイトルを獲得し、二強に割って入るのか。注目です。