特別な評価をされている人物や物事に対して、唯一無二という言葉を使うシーンがあります。このフレーズを耳にしたことはあるけれど、自分で使った機会はないという人もいるのではないでしょうか。この記事では唯一無二の意味や例文についてご紹介します。

  • 「唯一無二」の意味とは

    唯一無二について学びましょう

唯一無二の意味

唯一無二(ゆいいつむに)の意味は、「この世でただ一つしかないこと、他に同類のものがないこと」「それ以外並ぶものがないこと」を表す四字熟語です。日常会話に限らず、ビジネスシーンでも特定の物事や人物を称賛する際に使われることが多い言葉でしょう。

唯一無二の使い方・例文

唯一無二は一般的に誉め言葉として用いられるます。ただ、同じ誉め言葉でもビジネスシーンにおいて「すごい」などの言葉を多用すると、周囲に稚拙な印象を与えてしまいます。

そのような際に唯一無二という表現に置き換えることにより、優れた稀有な存在であることを相手にスマートに伝えましょう。

【使用例】

  • 「彼は唯一無二の存在だ」
  • 「あの企業のサービスは唯一無二だ」

唯一無二と同じ意味を持つ四字熟語

コミュニケーションを円滑にするためには、同じ意味を持つ言葉を学び、語彙を増やし表現方法を豊かにすることが大切です。ここからは、唯一無二と似た意味を持つ四字熟語を解説します。

唯一無双

唯一無双(ゆいいつむそう)の無双は「二つとなく、並ぶものがないほど優れていること」を指し、唯一無二と同じ意味です。「唯一」と「無双」の似た意味を重ねることで、「唯一無二」よりも強調している印象を与える言葉でしょう。

「双」という漢字は「二つ、二つで対になるもの」というように意味のイメージがつきやすいですが、「並ぶ、並べる、匹敵する」という意味もあります。

唯一不二

唯一不二(ゆいいつふじ)のは、「世の中に一つだけで、他に並ぶものがないこと」という意味です。不二は「二つとないこと」を指し、こちらも似た意味の言葉を重ねている四字熟語になります。

不同不二

不同不二(ふどうふじ)は、「一つだけしかないこと」という意味です。不同は順不同などで使用するように、「順序が揃っていないこと、一定の基準によって整理されていないこと」という意味もありますが、ここではその漢字の通り「同じでないこと」を指します。

無二無三

無二無三(むにむさん・むにむざん)は、「一つしかなく、それに代わるものがないこと」という意味です。また、「一つの物事に打ち込むさま」を表すこともあります。元は仏教用語で、「仏になる道は一つしかなく、他に道はないこと」を表す言葉でした。

唯一無二の類語・言い換え表現

かけがえのない

漢字では「掛け替えのない」と表し、「このうえなく大切で、替わりになるものがない」という意味の言葉です。ビジネスシーンでは「かけがえのないお客様」「当社のかけがえのないパートナー」など、相手の大切さをアピールしたいときに使用できます。

ただ、特定の第三者に対して「かけがえのない」と表すと、恋人やパートナーを連想される場合もあり、使うシーンには注意が必要でしょう。

オンリーワン

「ただ一つであること」という意味の言葉です。また、物や人物など「ただ一つであるそのもの」自体を指す場合もあります。

ビジネスでは、ありふれたものではなく「オンリーワンの価値のある商品・サービス」を持つことが大切です。自らの目標設定や、標語作りなどの際にこの言葉を使ってもいいでしょう。

ユニーク

「独特で、他に類を見ないさま」という意味です。「彼はユニークな発想で周りを驚かせる」などと使えます。個性が武器となるような環境では、ユニークは褒め言葉です。ユニークなアイデアのため、常にアンテナを張って物事を眺めるよう意識しているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

しかし、「不思議な人」あるいは「変な人」と言いにくいフォーマルな場面では、遠回しに「ユニークな人」と表現する場合もあるので、使う場面には注意が必要です。

唯一無二の対義語

ここからは、唯一無二の対義語をご紹介します。ネガティブな意味で使われるケースも多い言葉ですので、他の言葉と混同しないよう正しく理解しましょう。

有象無象

有象無象(うぞうむぞう)は、「取るに足りない雑多な人々」という意味です。「有象無象の輩(やから)」などと使います。ビジネスでは「私は有象無象の一人にすぎない」「有象無象の言うことに振り回される」などの表現が使えます。

見下したようなニュアンスがあり、よい意味の言葉ではありません。目上の人や取引先の人の前では使わない方が無難でしょう。

唯一無二の英語表現

ここからは、唯一無二の英語表現を解説します。

「the only one」「one of a kind」などをはじめ、比較的覚えやすい表現が多くありますので例文とともに、まとめて覚えるようにしましょう。

the one and only

「ただ一つのもの」を表す英語表現です。「the one and only in the world」で「世界にただ一つのもの」を指します。唯一無二を英語で表すとき、the one and onlyは意味のニュアンスが近い言葉と言えるでしょう。

the only one

「ただ一つの」を表す英語表現です。日本では「オンリーワン」と一つの単語のように扱われていますが、元は「only」と「one」の組み合わせで成り立つ表現となります。

「The only one in the world」で「世界でたった一つ」、「Only one part」で「一部のみ」などと使います。

one of a kind

「個性派、オリジナル」を表す英語表現です。「He is one of a kind to me」で「彼は私にとって特別である」などと表します。「one」も「kind」も優しい英単語ですので、比較的覚えやすい英語表現です。例文で一つのまとまりとして覚えておくようにしましょう。

like no other

「他と違って」という意味です。「like no other place(他とは全く違う場所)」「There are no other cases like this(他にこのような例はない)」と表現します。似たような意味ですので、合わせて覚えておくといいでしょう。

unrivaled

「競争相手がない」「無類の」をという意味で、競争相手を指す「rival」に、否定の意味を持つ「un」をつけた言葉です。

ビジネスシーンでは「unrivaled ability」で「競争相手がない、他の追随を許さない能力」などという使い方ができます。合わせて覚えておくと役立つでしょう。

peerless

「二つとない、比類のない」という意味で、「仲間」「同等のもの」を指す「peer」に、あるものがないという意味の「less」をつけた英単語です。ビジネスシーンでは、「peerless research」で「他に類を見ない、独創的な研究」などと使用できます。

unique

「ただ一つだけの」「他に存在しない」ことを表す言葉です。日本でもカタカナでユニークと書きよく使われる言葉で、「一つ」を表す「un」「unit」が語源とされています。 。

唯一無二の意味や使い方を理解しよう

唯一無二の意味や、ビジネスシーンにおける使い方などを解説しました。四字熟語や類語をはじめ、唯一無二の表現方法はさまざまです。

言葉によってわずかな意味やニュアンスの違いもあるため、混同せず適切な場面で使えるよう、意味を確認しておくようにしましょう。