エムステージは2月5日。全国の医療機関を対象とした「新型コロナワクチン接種」に関する調査結果を発表した。調査期間は2021年1月21~26日、有効回答は131院。

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予想される懸念点、1位「接種時の副反応への対応」

今後、開始される予定の新型コロナワクチンの接種対応を実施するか尋ねると、「依頼があり、実施を決めた」は31%、「依頼があれば、実施する」は19%で、計5割の医療機関でワクチン接種の実施意向があることが判明。この他、「依頼があり、検討中」・「依頼があれば、検討する」は各18%、「依頼があっても、断る」・「わからない」は各6%、「依頼があったが実施しない」は2%となった。

ワクチン接種にあたり、実務上で予想される懸念については、1位「接種時の副反応への対応」(110院)、2位「充分な人員体制の確保」(84院)、3位「接種のスムーズな運営」(78院)となった。

  • 新型コロナのワクチン接種対応を実施する予定はありますか

2020年度の収益状況について、前半期と後半期を比較すると、44%が「前半期よりも収益が増えた」と回答したものの、「前半期よりも収益が減った」は35%、「前半期と同程度の収益」は21%と、計56%の医療機関で収益状況が改善していないことがわかった。

また、2019年度と2020年度の収益を比較すると、「黒字」と答えた医療機関は、2019年度の57%から2020年度は36%に減少。一方、「赤字」の医療機関は、2019年度の22%から2020年度は37%に増加した。

自由記述では、「どの地域も同様であるとは思うが、特に医療人材の少ない地域においては、陽性患者の対応とワクチン接種の対応を同時期に行うのは大いに困難であることを理解してほしい。人材が少ない中では、例えば報酬等をある程度あげたとしても、医療者が確保できないことは変わらない」(病院:100~199床)など、多くの懸念や問題提起の声が寄せられたという。