洗濯機は比較的多くの電気代がかかる家電です。本記事では、電気代や洗濯機の種類、洗濯の電気代の節約方法について紹介します。

電気代の計算方法

洗濯機の電気代の前に、電気代の計算方法を説明します。

  • 電気代の計算式
    消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×1kWhあたりの電気代

消費電力であるW(ワット)は、各メーカーのホームページの商品ページで確認することができます。使用時間とはその家電を使った時間のことで、1時間単位で計算します。1kWhあたりの電気代とは、1時間あたりにかかる電気代のことです。

以下では、1kWhあたりの電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会が「新電気料金目安単価」として設定している「27円」を使用します。細かな電気代は、現在契約している電力会社のHPや、毎月の電力使用量のお知らせなどを参考にしてください。

  • 電気代の計算方法

    公式を覚えてしまえばすぐに計算できます

洗濯機の電気代

毎日の生活に必要不可欠な洗濯機の電気代を具体的に計算してみましょう。

洗濯のみをした場合の電気代

乾燥は含まず、通常の洗濯をした場合の電気代です。

日立のドラム式洗濯機(洗濯乾燥機 BD-NX120FL)を参考にすると、通常洗濯時の消費電力量が72Whのため、72(Wh)÷1000×27(円)で電気代が計算できます。計算すると、約1.9円/hという結果になりました。

次に同じく日立のタテ型洗濯機(洗濯乾燥機 BW-DKX120F)を参考にします。消費電力量は92Whのため、計算してみると、約2.4円/hかかることがわかります。

以上のことから、乾燥機能を使わない方は、仮に洗濯機を毎日1時間動かすとすると、毎月60円~72円ほどの電気代が発生します。

乾燥機能を使った場合の電気代

先述した日立のドラム式洗濯機で“乾燥機能を使用するときの消費電力量”は1130Whであるため、1時間あたりの電気代は1130÷1000×27=約30.5円であることがわかります。また、縦型洗濯機で乾燥機能を使用するときの消費電力量は2170Whであるため、1時間あたりの電気代は2170÷1000×27=約58.5円であることがわかります。

洗濯のみをした場合に比べて、多くの電気代が発生することがわかりますね。

容量による電気代の違い

洗濯機の容量によって電気代は変わります。

例えば、パナソニックの洗濯機で比較すると、10キロ容量のもの(ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VG1500L)では洗濯時70Wh・乾燥時1980Whであるのに対して、7キロ容量のもの(ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VG750L)では洗濯時65Wh・乾燥時1190Whでした。

それぞれの電気代を計算してみると、10キロ容量の場合、1.89円/h(洗濯時)+53.46円/h(乾燥時)の合計で55.35円、7キロ容量の場合、1.755円/h(洗濯時)+32.13円/h(乾燥時)で合計33.885円となります。以上のことから、10キロ容量のものと7キロ容量のもので洗濯と乾燥を1時間ずつ行った場合、約20円電力代の差が生じることがわかります。

洗濯機の節電方法

ここからは洗濯をする際に工夫したい、節電方法をお伝えします。

洗濯機に入れるのは容量の8割までにする

洗濯機はたくさん詰め込み過ぎると、回転させるのに電力を消費してしまいます。そのため、限界容量まで詰め込むのではなく、8割程度を目安にしましょう。また、より効果的に汚れを落としたい場合には6割~7割程度にするのもおすすめです。

時短やスピード、エコモードを活用する

洗濯機には時短モード、スピードコース、お急ぎなど短時間で選択できるコースが設けられており、時間が短いということは、消費電力量も少なくなるので電気代の節約になります。

時間が短い分、少ない量しか洗うことができないので注意が必要ですが、節約にはおすすめです。

またエコモードとは、センサによって適正な水量、洗剤の量、洗濯時間を割り出し省エネな運転を行う機能です。標準モードがすでにエコモードになっている洗濯機も多いようですが、節約には便利な機能なのでぜひ活用しましょう。

洗濯物を入れる順番に工夫する

洗濯機には、重い順で入れていくことで、汚れも落ちやすく、電気代を節約することができます。

洗濯機は回転することで汚れを効率的に落とすため、毛布やコートなど重たいものが上にあると回転しにくく、汚れが落ちにくくなってしまいます。

重いものは最初に入れて、最後に軽いものを入れるようにしましょう。

新しい洗濯機に買い換える

洗濯機は、年式によって大幅な電気代の違いがみられます。洗濯機は大きな買い物ですが、古い年式の物を使っている場合には、電気代の節約にもなるので買い換えを検討するのもよいでしょう。

以下では、参考までに2020年発売のドラム式洗濯機と2010年のドラム式洗濯機の消費電力を比較してみました。どちらも標準の洗濯容量は10キロです。

2010年に発売された日立の洗濯乾燥機(BD-7300L/BD-V7300R)の洗濯時消費電力は170W。一方、2020年に発売された同社の洗濯乾燥機(BD-SG100FL)の洗濯時消費電力は140Wと下がっています。

この30Wの差は、1時間あたり0.81円の電気代の差を生みます。仮に1カ月、毎日1時間ずつ使用した場合、24.3円の差です。これを1年換算すると、291.6円となります。

そこまでの多くの差というわけではありませんが、「電気代節約」を主目的に置くのではなく、すでに洗濯機の新調を検討している方にとっては、おまけ程度に「洗濯機の買い替えで、電気代も少々節約される」という点も覚えておくとよいでしょう。

  • 節電方法

    現在の洗濯機は省エネにこだわったものが多いのでうまく使いましょう

消費電力が大きい家電の一つの洗濯機を工夫して使いましょう

洗濯機は、多くの電気代がかかる家電の1つです。

洗濯の方法により電気代の節約をすることも可能ですが、洗濯機の省エネ性能は進歩しているため、新しく洗濯機を買い替えるのも一つの手です。日々の生活に欠かせない家電だからこそ、工夫して使いましょう。