年の瀬も近づいてきた今日この頃、「社内の忘年会はオンラインでやろう!」なんて言われる幹事もいるのではないでしょうか。
普通の忘年会ですら準備が大変なのに、大人数かつ社内で「オンライン忘年会」は未知の領域。オンライン飲みも、仲間うちのこじんまりとしたものなら気楽だけれど、果たしてみんなに楽しんでもらえるのか、進行はどうすればいいのか……、そんな悩める幹事に向けて、過去に「社内オンライン飲み会」を成功させた先輩幹事にコツを聞いてみました。
お話を聞くのは、クラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営する、READYFOR株式会社の江藤遥平さん。「新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金」など、コロナ禍のなかでも様々な取り組みを行っています。
普段はクラウドファンディング支援者のサポートや、社内コミュニケーション周りの担当を行っている江藤さん。飲み会の幹事自体は以前から自主的に行っていたそうですが、今年の春、社内で30人が参加するオンラインお花見を実施しました。
フルリモートで働く環境のなか有志で参加者を募ったこのオンライン飲み会は、大人数でも約2時間たっぷり楽しめたといいます。幹事を行った江藤さんに、その時の話を交えながら成功のコツを聞いてみましょう。
社内オンライン忘年会&飲み会、成功する5つのコツ
【1】ツールは「使い慣れたもの」がベター
――江藤さん、今日はよろしくお願いします。そもそもの話ですが、まずオンライン飲み会で不安なのが「みんなが無事に参加できるか」ということです。あまりパソコンに詳しくない方もいるので……。
よろしくお願いします。READYFORの場合、すでにリモートワークが基本だったのである程度慣れていましたが、オンライン飲み会のツールはみんなが使い慣れたものが良いですね。「Google Meet」や「Zoom」など、普段から仕事で使っている環境を活用するのが安心です。
――確かに、ツールのレクチャーから始める手間ひまを考えたら、使い慣れたツールでやったほうが、幹事側も参加者も負担が少ないですね。
僕たちは普段はZOOMを使っているのですが、新しいツールを使おうとチャレンジしたものの、幹事側が慣れずに苦労したこともありました。
【2】事前にスケジュールを共有しよう
――オンライン飲み会は、お店の終了時間や終電といった時間の制約がないメリットはありますが、会社の飲み会をダラダラと続けるのはしんどくなりそうです。どうすればよいでしょうか?
僕が幹事をやる場合は、事前にスケジュールを作って共有しました。開始時間や集合場所、タイムテーブルなどをまとめています。それから、基本はマイクをオフにしたミュートの状態で進めてもらうことも周知しました。
オンライン飲み会のスケジュール例
開催日:12月XX日
開始時間:18時
集合場所:右記URLのGoogle Meet(https://meet.google.com/XX)タイムテーブル:
18:00 ハングアウトに集合
18:10 乾杯!
18:15 1回目 オンライントーク
19:00 2回目 オンライントーク
19:45 全員でレクリエーション
20:15 終了※基本はカメラはオン・マイクはオフ。乾杯の時だけマイクをオンにしてください。
このスケジュールだと、おおよそ2時間程度ですね。社内での飲み会の時は、前半は少人数の部屋に分かれてのトーク、後半は全員でゲームなどのレクリエーションを行いました。
――こうしておけば全員が進行や終了時間を把握できますね。このスケジュールが共有されていれば、もし遅れてしまった場合、途中からの参加もしやすそうです。
ちなみに乾杯と締めの挨拶は、普通の忘年会と同じように事前に頼んでいました。乾杯のだけ時は全員のマイクをオンにしてもらって、みんなで乾杯の声が聞こえる状況を作っても良いかもしれません。
【3】司会はコンビで進行&盛り上げフォロー
――オンライン飲み会で気になるのが、「参加者が盛り上がっているのか」ということ。参加者には楽しんでほしいですが、マイクをミュートにしていると反応もわからないし戸惑います。
参加者の反応を見たり盛り上げるために、司会を2人立てるのもおすすめです。
――それぞれの司会の方は、どう役割分担をされましたか?
1人は進行役で、もう1人はサブ司会の盛り上げ役です。盛り上げ役は、進行役の相槌を打ったり、チャットやリアクションを拾って参加者に声をかけるのが主な役目です。
――パーソナリティが2人いるラジオのようなイメージですね。とはいえ急に声をかけられても、オンラインだと話しにくい……ということもありそうです。
普段から会社のミーティングで発言する方には声をかけるようにしました。また、参加していない人がいると「楽しんでくれているかな……」と気になるものですが、なんとなく眺めて楽しむ人もいます。全員が楽しく参加するのは難しいことなので、気負わずやりました。
――そこはオフラインのミーティングと変わらないですね。参加者の顔は見える状態でされたんですか?
互いに顔が見えるよう、マイクはオフでもカメラはオンにしてもらいましたね。相槌をするしぐさが見えるだけでも温度感がわかります。事前のアナウンスでも「カメラはオンにしてください」と伝えました。
――話を聞きながらうなずいてる様子を見れば、聞いてくれてるんだな、とわかりますよね。
声の反応がない分、チャットツールも積極的に使ってもらいましょう。
【4】トークテーマあり、少人数の会話タイム
――普通の忘年会だと、席に近いもの同士で会話ができますが、オンラインで大人数だと喋りづらくないですか?
それはあるかもしれません。オンライン飲み会のやり方としては、4~5人の少人数で話せる部屋を複数作って会話する方法と、全員参加で話す方法の2つがあるかなと思います。
――必ずしも全員参加で話す必要はないんですね。
そうですね。まずは少人数の会話の場合ですが、4~5人ずつのチームを作り、トークのテーマを3~4個用意しました。忘年会なら、年末年始は何をしますか、今年はどうでしたか、といったテーマが良さそうですね。「来年の目標は?」とか重いテーマよりも、普段オフィスでわざわざ話すこともないような、気楽に話せるものがおすすめです。
少人数で会話する場合のスケジュール例
オンライントーク 集合場所
https://meet.google.com/XX
1回目(18:15〜19:00)
A班 佐藤 鈴木 高橋 田中 https://meet.google.com/XX
B班 伊藤 山本 渡辺 中村 https://meet.google.com/XX
C班 小林 加藤 吉田 山田 https://meet.google.com/XX
D班 佐々木 山口 松本 井上 https://meet.google.com/XX2回目(19:00〜19:45)
A班 佐藤 伊藤 小林 佐々木 https://meet.google.com/XX
B班 鈴木 山本 加藤 山口 https://meet.google.com/XX
C班 高橋 渡辺 吉田 松本 https://meet.google.com/XX
D班 田中 中村 山田 井上 https://meet.google.com/XX
――スケジュールを見ると、1回目と2回目に分かれていますね。
途中でメンバーチェンジをしました。Zoomはランダムのメンバー振り分け機能がありますが、Google Meetの場合は事前にトークのURLを伝えておいて、自分で移動してもらいます。
――数人でなら、会話がかぶって気まずい思いをしたり、会話に入るタイミングで悩むことも少なそうですね。じっくり話せるから、普通の飲み会と近い感覚で話せそうです。
【5】マイクオフでも全員参加できるコンテンツ作り
次に、全員参加型で会話したときのやり方です。基本はマイクをオフにしているので、チャット上で楽しめるものを考えました。READYFORでは「全員答えを合わせるクイズ」と「大喜利」をやりました。
全員の答えを合わせる「全員一致クイズ」、例えば「お花見の飲み物は?」と出して、チャットで回答をしてもらいます。僕は「ビール」だと思ったのですが、意外と合わなかったです(笑)。忘年会だと「今年を一文字で表すと?」とか盛り上がりそうですね。
「大喜利」では「READYFORで1番明るい人は誰?」「READYFORがTVCMをしたときに出演するタレントは誰?」といった、アイデア勝負の質問を出しました。サブ司会の盛り上げ役が面白い回答を拾っていきます。
――なんだかテレビのバラエティ番組やクイズ番組をみているようです(笑)。
みんながわかるような、テレビ番組の企画っぽいことは盛り上がりますね。
――江藤さん、5つのアイデアをありがとうございました! 最後に、オンライン幹事になった方へ、一言お願いします。
幹事には得意不得意があるので、不得意な方は得意な方を巻き込んだり頼ったりしても良いかと思います。また、幹事をすることで「幹事にとってどういう人がありがたいか」を考える勉強になると思います。締め切りを守ったりとか、呼びかけたら応えるとか、幹事を経験するとちょっと優しくなれるかもしれません。
READYFORの江藤さんに伺った「オンライン飲み会を成功させる5つのコツ」、オンライン忘年会の幹事になって悩む方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。