こんにちは「意識が低い」昭和のおじさんです。世界中でホテル・リゾートを展開するフランスのACCOR(アコー)が11月28日より、ホテル「京都悠洛(ゆら)ホテル二条城別邸 Mギャラリー」を京都にオープンします。

仕事で秋の京都へ行ける! 喜び勇んで行ってきましたよ。

  • 二条城の東大手門

二条城(正式名称は元離宮二条城)といえば、江戸時代に徳川幕府が京都御所を監視するために築城されたと言われる歴史的建造物で世界遺産にもなっています。

そのそば、つまり京都市内の中心部にあり、場末のビジネスホテルしか知らない筆者には本来無縁の場所。まさに殿上人の世界を垣間見る感覚で、場違い感が半端ない。

  • 二条城は京都市の中心部に位置 提供:Google

二条城にある意識高い系ホテル

二条城近くは住宅街でもあり、ホテルは「別邸」という触れ込み通り、そのエリアに溶け込むように存在しています。筆者も最寄り駅から歩いてきたところ、どこにあるのか最初分からず、地図をよくよく見てようやくたどり着きました。

なお、すべての宿泊客に対して京都駅送迎サービス(追加料金なし)もあるので、筆者のようなケースは稀でしょうね……。

  • 住宅街に立地する「京都悠洛(ゆら)ホテル二条城別邸 Mギャラリー」

そんなこんなで、格子戸をくぐったところ、突然別世界へ来たような感覚になります。

  • エントランスの格子戸

  • 京都の路地をイメージしたアプローチ

この感覚の変化は何なのでしょう。本ホテルの成り立ちも含めて、総支配人の佐藤有子さんに聞いてみました。

佐藤さんによると、「情熱や好奇心を持ち旅する人」を主なユーザーと考えており、特に女性が多いのが特徴だそう。つまりバリキャリの「意識高い系」ですね。分かります。

また、ホテルのコンセプトには3つの大きな柱があり、「エクスクルーシブラグジュアリーホテル」「非日常の食と滞在」「タイムトラベル」だと言います。

補足すると、最初のワードはヨーロッパでは多い小規模のホテルが得意とするクリエイティブな宿泊体験で、2つ目は言葉通り、最後は幕末と明治維新で大きな役割を果たした京都での滞在を意味しているのです。

「本ホテルのデザインテーマは『つなげる』です。外の景色を中につなげる。時代をつなげる。西洋と日本の文化をつなげる。シームレスにつなげる、にこだわってデザインしています」(佐藤さん)

  • 外と内の境界線を「意識させない」デザイン

例えば、二条城の石垣を模した壁を「外と内」に作り境目を見せなくしたレセプション、ロビーには日本庭園の景色を取り込むテーブル、さらに、宿泊するゲストルームに小上がりを設け、その横壁面や天井面も外の景色の写り込みを作るなど、随所に仕掛けが施されているそうです。

  • 外の景色を映り込ませる「鏡面仕上げ」のテーブル

こうした点が、入口で感じた変化につながるのですね。さすがデザインにこだわって作られたホテル、細部まで抜かりないなー、とおじさんはただただ感心するばかり。

意識高い系はガウンを羽織る?

全部で25室(うち5室はバルコニー付)ある客室は、すべて二条城と日本庭園に面していて四季の変化を感じる「風情」を醸し出しています。

  • 部屋から四季の変化を感じることができる

タイプは「デラックスルーム 1キングサイズベッド」12室、「デラックスルーム 2シングルサイズベッド」8室、「デラックスルーム 1キングサイズベッド バルコニー付」4室、「離宮スイート 1キングサイズベッド」1室が用意。

筆者は1番目の部屋に泊まりましたが、「何これ。どこの殿様?」と思う広さと備品に頭がクラクラしました。いやぁ、こういう世界もあるのですねぇという思い。(小並感)

部屋はすべて40平方メートル以上の広さがあり、1泊1室素泊まりでの宿泊料金は「デラックスルーム」(3万円〜)、「デラックスルーム バルコニー付き」(3万3,000円〜)、「離宮スイート」(4万円〜)※となっていますが、金額は毎日変動するそうです。また、2021年1月31日まで「二条城別邸開業記念宿泊プラン」(4万6,250円~)で販売されています。

※一泊朝食付き2名1室の1名料金、税・サ込、宿泊税別

  • ベッドボード上の壁面は伝統工芸の「名栗加工」

しゃれたアメニティはフランスの「CAUDAIE(コーダリ)」製、室内のタオルやバスローブは肌ざわりの良い「今治タオル」ですよ。

  • ボルドーのブドウ畑から誕生したスキンケア「CAUDAIE(コーダリ)」

  • 意識高い系にはガウン姿は必須!?

特に見学できた離宮スイートはヤバい!(語彙力)。バルコニーのソファに座ると目の前に庭園が広がり、めちゃめちゃ気持ちがいいです。

「これが意識高い系の世界か」とただただ感嘆するばかりでした。またバルコニー付の部屋の庭園も、これまたヤバめ。

  • 二条城と庭園を一望できる

  • ソファに座ると殿上人気分

  • バルコニー付きの部屋

アート作品のようなフランス料理

部屋だけでなく、レストラン「Singular 眞蔵(シンギュラー)」で出されるディナーも昭和おじさんには、異世界すぎる体験。

ミシュランで実績を残した総料理長の大久保晋さんが素材を自ら厳選して、直接仕入れた食材を「和魂洋才フレンチ」として提供し、一つひとつがアート作品のようです。

  • 出された料理の一部

たまたま同席した、関西在住の女性編集者さんは、「ヤバいわ!」連発。アルコールがからっきしの筆者を横目に、料理、ワイン、日本酒と合わせて、目の前で次々とたいらげています。

この日のランチもフレンチだったというホンモノがこう言うのです、ヤバいのでしょう!

ちなみに、筆者の昼は街中の昭和食堂の「たぬきうどん+おいなりさん」(笑)。何度も言いますが、住む世界が違いすぎですよ! とほほ。

  • 昭和の食堂で食べた筆者のランチは1,000円弱

なお、アルコールがダメな筆者に用意された炭酸水は、東北で作られる「天然の炭酸水」。舌触りが滑らかで、料理を邪魔しないテイストで選んだそうです。時透無一郎ばりに隙がないね。

  • 舌触りがなめらかな「天然炭酸水」

昭和の街並みで癒やされる

こうしてハイスペックライフを体験しましたが、広いベッドに慣れておらず、早朝に目が覚めたので近所を散歩。すると、すぐ近くに昭和の街並みや商店街がありました! おじさんが「昭和ワールド」で癒やされたのは言うまでもありません。

  • ホテル近くの昭和な街並みに癒やされる

ちなみに本ホテルには、宿泊者向けにアクティビティも用意され、新選組ファンの聖地として有名な「壬生寺」の本堂と狂言堂を回るツアー(1日1組限定)、「高松神明神社」で神主と祝詞をあげ、神主の講話を聞く「朝のお参り体験」が用意されています。

こうしたプログラムもあるので、バリキャリ女子だけでなく、旅をこだわりたい人には興味深い宿泊体験になりそうですね。

●information
京都悠洛ホテル⼆条城別邸 Mギャラリー
所在地:京都府京都市中京区市之町180-1
アクセス: 地下鉄東西線 ⼆条城前駅 徒歩1分