西山朋佳女王への挑戦権を懸けた本戦トーナメントの組み合わせが決まる

第14期マイナビ女子オープン(主催:マイナビ)の一斉予選が9月26日に東京「パレスサイドビル」で行われました。女流棋士が一堂に会する華やかな一日で、これまでは将棋ファンが現地観戦することもできるイベントでした。ところが今年はコロナウィルス対策のため、無観客開催に。それでも盤上では変わらず熱い戦いが繰り広げられました。

今年の一斉予選は、チャレンジマッチを勝ち上がった女流棋士・アマチュアと、予選から出場の選手を加えた61人で行われました。彼女らが12個しかない本戦出場枠を懸けて12ブロックのトーナメントを戦います。それぞれのブロックの通過者を見ていきましょう。

第1ブロック通過者:甲斐智美女流五段
甲斐女流五段は第3期で女王を獲得した実力者。藤井奈々女流初段、頼本奈菜女流初段を破って本戦への出場を決めました。

第2ブロック通過者:里見香奈女流四冠
女流棋界の第一人者と言えども、前期本戦ベスト4以上に入らなければ予選から出場となるマイナビ女子オープン。里見女流四冠は大田暖乃アマ、小高佐季子女流1級を破りました。これまでタイトル獲得41期の里見女流四冠ですが、女王の獲得は第6期の1回のみ。相性の良くない棋戦なのかもしれません。

第3ブロック通過者:村田智穂女流二段
村田女流二段は相川春香女流初段、小野ゆかりアマを破って、第5期以来久しぶりの本戦出場を決めました。まだ本戦での勝ち星はなく、初勝利を目指します。

第4ブロック通過者:渡辺弥生女流初段
渡辺女流初段は井道千尋女流二段、岩根忍女流三段に勝利しました。第12期では成績不振によってチャレンジマッチにも参加した渡辺女流初段。嬉しい本戦初出場です。

第5ブロック通過者:脇田奈々子女流初段
伊奈川愛菓女流初段、矢内理絵子女流五段に勝利し、2期連続の本戦出場を決めた脇田女流初段。本戦1回戦では前期敗れた塚田恵梨花女流初段との再戦です。

第6ブロック通過者:宮澤紗希アマ
アマチュア唯一の一斉予選通過者となったのが宮澤アマ。山田久美女流四段、里見咲紀女流初段、中井広恵女流六段という実力者3人を次々と倒していきました。

第7ブロック通過者:長谷川優貴女流二段
船戸陽子女流二段、中倉宏美女流二段を破った長谷川女流二段。船戸女流二段戦は絶体絶命の局面から持将棋となり命拾い。指し直し局を制した勢いそのままに本戦出場を決めました。

第8ブロック通過者:加藤結李愛女流初段
加藤結女流初段は中村真梨花女流三段、北村桂香女流初段を破りました。確かな実力が評価されている若手が2期連続で本戦に登場です。

第9ブロック通過者:鈴木環那女流三段
カロリーナステチェンスカ女流1級、磯谷祐維アマを破った鈴木女流三段。どちらも苦しい将棋を逆転しての通過で、通過者インタビューでは反省しきりでした。

第10ブロック通過者:竹部さゆり女流四段
2期連続通過の竹部女流四段。山口恵梨子女流二段、上田初美女流四段という強敵を破りました。特に上田女流四段は女王獲得2期の実力者です。

第11ブロック通過者:香川愛生女流三段
前期は本戦シードだった香川女流三段は今期は予選からの登場。武富礼衣女流初段、加藤圭女流初段を破って6期連続の本戦登場を決めました。

第12ブロック通過者:千葉涼子女流四段
山根ことみ女流二段、礒谷真帆女流初段、貞升南女流初段を破って予選突破の千葉女流四段。第5期以来の本戦出場です。

本戦シードの清水市代女流七段、塚田女流初段、伊藤沙恵女流三段、加藤桃子女流三段と予選通過者による本戦トーナメントの組み合わせは写真の通りです。1回戦から見どころたっぷりのトーナメントとなりました。果たして誰が西山朋佳女王への挑戦権を勝ち取るのか、今から楽しみです。

第14期マイナビ女子オープン本戦の組み合わせ。16人が西山女王への挑戦を目指す
第14期マイナビ女子オープン本戦の組み合わせ。16人が西山女王への挑戦を目指す