パーク24はこのほど、ドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」の会員を対象に実施した「電気自動車」に関するアンケート結果を発表した。

同社は毎月9日に、クルマの運転や交通に関するアンケートの調査結果を発表している。今月の「電気自動車」についてのアンケートは、駐車場やカーシェア、レンタカー等のクルマに関わるサービスを利用した人たちを対象としたものとなる。

調査期間は2019年12月6日〜12日。タイムズクラブ会員(2018年12月6日以降に入会し、直近でパーク24グループのサービスを利用した人)を対象に、非公開型インターネットアンケートにて実施。有効回答者数は9,230名だった。

  • タイムズクラブ会員のクルマ保有率は73%

パーク24グループのタイムズクラブ会員にクルマの保有状況を聞いたところ、保有率は73%だった。クルマ保有者が保有しているクルマの種類は、「ガソリン車」が77%で最多に。以降、「ハイブリッド車」「ハイオクガソリン車」(各15%)と続いている。

  • クルマ保有者の77%は「ガソリン車」を保有

ガソリン車以外のクルマの購入を検討したことがある人は51%で、昨年の58%よりも7ポイント低い結果となっている。ガソリン車以外で購入を検討したことがあるクルマの種類は、「ハイブリッド車」(50%)が1位だった。次いで「ディーゼル車」(22%)、「電気自動車」(19%)となっている。

  • 2人に1人はガソリン車以外の購入を検討したことが「ある」

  • ガソリン車以外で購入を検討したことがあるクルマの種類は、「ハイブリッド車」が50%

男女別では、男性は26%が「ディーゼル車」を検討したことがあると回答しており、女性(13%)の2倍だった。一方、「電気自動車」は、女性が25%で男性よりも9ポイント高くなっている。

クルマ保有者で、ガソリン車以外の購入を検討したことがある人のうち、71%が現在「ガソリン車」を保有している。ガソリン車を保有していても、他の種類のクルマを購入の選択肢とする人は多いようだ。

  • ガソリン車を保有していても、他の種類のクルマを購入の選択肢とする人は多い

どのような状況になったら電気自動車を購入するかを尋ねたところ、「価格が手ごろになったら」が46%で最も多くなった。以降、「EVステーションが増えたら」(18%)、「航続距離に不安がなくなったら」(17%)、「好きな車種があったら」(13%)となっている。クルマ非保有者で購入を検討している人は、全体に比べ「EVステーションが増えたら」「好きな車種があったら」の割合が高くなった。検討材料として、充電インフラの充実度や車種を重視しているようだ。

  • 電気自動車購入にあたって重視することは「価格」が最多

年代別で見ると、「航続距離に不安がなくなったら」は60代以上が21%であるのに対し、最も低い20代以下は7ポイント低い14%となっている。また、「好きな車種があったら」は20代以下が20%で最多となった。若い世代ほど割合が高くなっており、車種を重視する傾向がうかがえる。「価格が手ごろになったら」と「EVステーションが増えたら」は年代による差は見られなかった。

  • 若い世代ほど車種を重視する傾向

電気自動車の1回充電あたりの航続距離については、「201〜300㎞」という回答が27%で最多で、以降「101〜200㎞」(22%)、「301〜400㎞」(17%)となった。

アンケート実施時に発売されている電気自動車のカタログ記載の航続距離は、「164km〜570km(JC08モード)」が中心となっており、78%は実態に近い認識をしていることがわかった。2015年のアンケートでは、実際の航続距離「180km〜220km(アンケート実施当時)」を回答した割合はわずか2%で、電気自動車への理解が深まっていることがうかがえる。

  • 電気自動車1回充電あたりの航続距離について実態に近い認識をしているのは78%

電気自動車に関するアンケートは今回で6回目となる。タイムズクラブ会員のうち、クルマの保有者の7割以上は「ガソリン車」を保有しており、「電気自動車」の保有者はまだ少数です。ガソリン車以外の購入を検討したことがある人の5人に1人は「電気自動車」を購入候補として挙げる等選択肢としているものの、購入には至っていない。

今回を含めた6回のアンケートでは、電気自動車の購入において重視することのTOP3は「価格」「航続距離」「EVステーション数」だった。初めて電気自動車に関するアンケートを行った2015年と比べ、1充電あたりの航続距離は向上しEVステーションは増設されているものの、最重視される価格はほぼ変動していないことから、「価格」が電気自動車を保有している人が少ない要因の一つになっているものと思われる。

現在、ガソリン車やハイブリッド車のコンパクトタイプの新車販売価格は100〜300万円が平均であるのに対し、電気自動車は400万円前後となっている。同社では、電気自動車の普及促進のため、国や自治体は補助金の交付や税優遇制度等を設けているが、普及拡大には、より購入しやすい価格設定が必要なようだ、と分析している。