メルクバイオファーマは9月15日、「妊活および不妊治療に関する意識と実態調査」の結果を発表した。調査は4月10日~13日、20~40代の男女3万名、および、自身またはパートナーが不妊治療経験者である男女300名を対象に、インターネットで行われた。
はじめに、20〜40代の男女3万人に対し、現在、関心を持っている日本の社会的課題を聞いたところ、「少子化対策」(40.6%)がトップに。そこで、子どもを授かりたいかどうか尋ねたところ、約半数が「子どもを授かりたい」(48.8%)と回答した。
不妊に悩んだ経験について聞くと、22.7%が「過去悩んだ」(16.3%)あるいは「現在悩んでいる」(6.4%)ことが明らかに。子どもを授かる理想的な年齢としては、「25~29歳」(63.5%)が圧倒的に多かったものの、実際に第1子を授かった年齢は、「25~29歳」(38.9%)に次いで、「30~34歳」(27.0%)、「35~39歳」(11.1%)など、41.0%の人が30代以降で第1子を出産していることがわかった。
次に、不妊治療経験者300名を対象に、不妊治療に関わる経済的負担の有無を聞いたところ、89.0%が「ある」と回答。負担となる内容としては、「治療費(薬剤費以外)」(74.3%)や「薬剤費」(49.3%)が上位に。
不妊治療にかかる費用については、「治療費」の平均総額が約130.6万円、治療以外にかかる「二次的出費(サプリ、漢方、気晴らしのための趣味、家事負担を減らすための出費など)」が平均総額約236.5万円、「通院費(交通費・ガソリン費)」は平均月額2万2,244円(1回平均3,587.8 円×1カ月の通院回数6.2回)という結果に。
そこで、経済的な理由で不妊治療を諦めたりした経験について尋ねると、17.0%が「治療を諦めた」と回答。また、「一時やめた」「始めるのを遅らせた」「治療を続けるか迷った」という人も合わせると、その割合は63.0%に達した。
続いて、不妊治療と仕事との両立について調査を行った。その結果、不妊治療経験者の約3人に1人が「仕事との両立」(35.0%)に悩んでいることが判明。そこで、不妊治療のための有休取得率と1カ月の平均日数を調べたところ、男性21.3%、女性28.0%が有休を取得しており、その平均日数は、月4.4日(男性4.0日、女性4.8日)とほぼ週1日のペースで取得していることがわかった。
また、不妊治療のために自身やパートナーが退職や異動した経験があるかを聞いたところ、17.9%が「退職」して専業主婦(夫)に。そのほか「転職」が8.4%、「異動」は3.2%と、不妊治療のためにおよそ3割の人が仕事を変えていることがわかった。
最後に、残業ができないことや欠勤扱いによる収入減、異動・転職による収入減があったという人(80名)に対し、その総額を聞いたところ、平均で108.3万円となった。