純白のドレスとタキシードを着て、手を取り見つめあうふたり……そんな美しいウェディングフォトの裏側には、人知れず体を張って頑張る人がいたのです。

ツイッターで大きな話題となっているのが、夫婦でウェディングフォト撮影を行うちぃずちゃんねるさん(@0321Haichiizu)が投稿したこちらの写真です。

  • 幸せそうに見つめあうふたり※タップで拡大

  • スカートをなびかせる妖精さんが……! ※タップで拡大

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ウェディングフォトの闇

なびくドレスの裾が花嫁の胸の高まりを表すような、ドラマチックな1枚。ですが、実はドレスは人力でなびいていたのです。

このツイートを見た人からは、「これは仕事人だぁ……! 裏側が知れて嬉しいです! 」「奥様のご職業は忍者だったのですね」「皆さんが思っているとおり、この世界は誰かの仕事で出来ている」「躍動感ありすぎやろwww」「くのいち感がすごい」「ドレスよりも妖精の躍動感に目がいくwww」などの声が。また、40万を超えるいいねが集まっています。

さらにこのツイートに続けて、こんな写真も投稿されていました。

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写真でスカートを持ち上げている、奥様のはるさんにお話を伺いました。

――「糸で吊り上げたらいいのでは」というリプライなどもありましたが、人の手で持ち上げるほうがきれいに撮れるのですか?

ドレスは生地がしっかりしていて、分厚かったりチュールが何重にも重ねられていたりと、風などでそう簡単になびくものではないんです。糸もドレスにくくりつけることになり、大切なドレスを傷つけることになりますので手でやっています。ただふわっとさせるにもちょっとコツがあり、理想のなびかせ方をするのにも手で行った方がいいんです!

――ほかにもこういった「裏の努力」と言えるような撮影手法があれば教えてください。

撮影手法とは違うかもしれませんが、カメラマンの夫とアシスタントの私でお顔の角度、体の曲線が綺麗に見える向き、腕の位置、ポーズなどは常々細かくチェックして撮影しています。おふたりにとって一生に1度の撮影ですし、とくに女性は美しく写っているのが一番ですので、そういう点は妥協せず撮影しています。

――カメラマンはご主人がされているということですが、奥様のはるさんはほかにどういった役割をされているのですか?

ポージング指示のほか、ドレスや髪が乱れていないかなどのチェックが主です。男性はなかなか女性に触れて髪やドレスを直したり、ドレスがずり落ちてきているのを指摘したりすることが難しいですので、そういったところを細かく見て直したりしています。あとは元々保育士だったこともあり、お子さんがいるおふたりの撮影の際は離乳食をあげたり寝かしつけたりなどもしています(笑) 撮影後のレタッチも夫と分担して行っています。

――ウェディングフォト撮影のやりがいと大変な点を教えてください。

やっぱりおふたりが喜んでくれることですね!! 私たちはフリーランスですので、撮影前、撮影当日、撮影後までおふたりと直接やりとりができます。撮影後や納品後に長文で感謝の言葉をいただけたりすると、本当にうれしい気持ちになります。

大変な点はとくにないですが、お天気くらいですかね。安定しないお天気が多いので……でも雨でもきれいな写真が撮れるので、ある意味では利点です。

――今回のツイートが大きな反響を生んでいることについて、率直なご感想などはありますか?

ここまで反響があることにとりあえずびっくりです(笑) けど、暗いニュースが多いなか、私のあんな顔で笑ってくれる方がいらっしゃるならいくらでも! という気持ちです。コロナの影響で結婚式を延期したりキャンセルしたり、辛い決断をされている新郎新婦さんが多いので、「写真だけでも! 」とご依頼される方がうちは多いです。ほかにも、とても悩まれている方もいると思います。そんな方たちに、「とりあえず」の形にはなってしまいますが「フォトウェディング」という選択肢を持ってもらい、辛い思いをしている方に「闇」ではなく「光」を当てられる活動をこれからもしていきたいです!