伊藤園では2019年8月に発売した「TEAs' TEA NEW AUTHENTIC 生オレンジティー」の販売好調を受け、今夏、製品のリニューアルを実施する。また、この秋にはホット生オレンジティーの発売も見込む。オンライン説明会で、その詳細が明かされた。
第3次紅茶ブームの兆し
伊藤園 マーケティング本部の相澤治氏が説明した。同氏によれば、昨今のコロナ禍により清涼飲料水も販売が伸び悩んでいるが、紅茶飲料だけは好調を維持しているという。なぜだろうか。
「ステイホームにより、ご自宅で紅茶を飲むようになった、という方が増えているのではないでしょうか。そして紅茶本来の自然な美味しさに気づき始めている。そうなると、今後、人工的に造られた味には戻ってこないのでは、という思いもしてくる」と相澤氏。
伊藤園では、現在の紅茶市場の盛り上がりを『第3次紅茶ブームの兆し』と捉えた。第1次ブームが訪れたのは各社が紅茶市場に参入した1990年代。第2次ブームとなった2003~2010年頃には「実はヘルシー」「ゼロカロリー」がキーワードとなった。そこで相澤氏は、この第3次ブームでは「ナチュラル」をトリガーにして、生オレンジティーを広く訴求していくと説明した。
生オレンジが増量
今年(2020年)の8月3日で発売から1周年を迎える生オレンジティーだが、「無添加品質」など従来の特徴を引き継ぎながら、生オレンジを1.5倍(従来比)に増やすリニューアルを実施する。
「生の美味しさに添加物は必要ありません。香料・酸味料・人工甘味料を使わない無添加品質です。そして、旬摘みのオレンジにもこだわりました。自然な香りと心地良い後味を目指しています」と相澤氏。紅茶と生のオレンジスライスを一緒に抽出する特許製法『生オレンジ抽出』により、手作りのフルーツティーの美味しさを再現できた、とアピールする。
ホットも新登場
そして、ホット生オレンジティーも10月5日より発売する。相澤氏によれば、現在のホット飲料の販売はミルクティーが中心で、果汁飲料は苦戦している状況だという。しかし、そこに市場の新しい芽がある、と説明する。「生オレンジティーのホット製品なら甘すぎず、後味もスッキリした味わい。新しい味として、必ず市場に受け入れてもらえる」と自信をのぞかせる。
コールド飲料の生オレンジティーと比較して、茶葉は1.2倍に増量した。心地良い香りで紅茶感をアップさせている。また生オレンジ漬けシロップという製法により、ペットボトルを加温し続けても香りが変わらないように配慮した。
「昨夏、コールドの生オレンジティーを発売したわけですが、ユーザー様からは『ホットにしても美味しい』という声を頂いていました。今秋、新しい紅茶としてお客様に間違いなく受け入れてもらえると考えております」と相澤氏。
なお、プロモーションとして8月3日から店頭でプレゼントキャンペーンを実施する。また、テレビCMや人気女性誌を通じて認知の拡大にも努めていく。
製品化に至るまで、いくつもの難しい課題をクリアしてきたこと、また新たな技術や特許を得てきたことから、「生オレンジティーに追随する競合商品はなかなか出にくいのではないか」と相澤氏。これまで紅茶飲料の主なターゲット層は30~40代の女性だったとしつつ、「生オレンジティーはすべての紅茶が好きな方たちに届けていきたい。生だからこそ実現できた美味しさ、その世界観を伝えていきたい」と意欲的に話していた。