JR九州は、「令和2年7月豪雨」における被害状況の把握と復旧作業が進んだとして、最新の状況を発表している。とくに肥薩線は被災箇所が多く、復旧にかなりの時間を要する見込みだという。
肥薩線は豪雨の影響により、7月4日の始発列車から全区間で運転を見合わせ、7月13日に被災件数を65件と発表した。その後、調査を進めたところ、鎌瀬~渡間を中心に土砂流入や路盤流出、橋梁流出などが多く発生しており、肥薩線全体で450件の被害が発生していることがわかったという。
JR九州は肥薩線の被災箇所の現地写真も公開しており、駅間の橋りょう流出、路盤流出、築堤崩壊などに加え、瀬戸石駅や球泉洞駅で乗降場が流出したことも明らかにしている。これらの被害により、肥薩線において「八代~真幸間の復旧の見通しは立っておりません」とのこと。列車の運転見合わせ区間は八代~吉松間となる。
その他の線区については、7月13日に発表された被災件数(鹿児島本線26件、久大本線145件、日豊本線29件、長崎本線13件など)から変動はないという。JR九州全線での被災件数は、17線区・合計730件となった。
なお、運転見合わせとなっている線区のうち、鹿児島本線長洲~植木間は8月3日から運転再開する見込み。鹿児島本線川内~鹿児島中央間では、7月27日から串木野~鹿児島中央間で運転再開し、同時に川内~串木野間でバスによる代行輸送を始める予定としている。8月1日から川内~鹿児島中央間で列車による運転を再開する。
久大本線は運転見合わせとなっている日田~向之原間のうち、日田~豊後森間は8月8日、庄内~向之原間は8月末に運転再開する予定。由布院~向之原間は7月14日からバス代行輸送を実施している。