Nexperiaは、次世代高耐圧技術「GaN HEMT H2」を採用した次世代GaN FETデバイスを製品化したことを発表した。

同製品は、TO-247パッケージと独自の銅クリップを用いた「CCPAK表面実装パッケージ」を活用することで、高い安定性とともに優れたスイッチング性能指数(FOM)、オン状態の性能を提供するほか、複雑なドライバと制御機能を不要にするカスコード構成により、アプリケーション設計の簡素化を可能にするとしたという。

また、エピ貫通ビアを採用することで、不具合の低減ならびにダイサイズの約24%縮小を実現。TO-247パッケージ製品では、オン抵抗を41mΩ(最大値。25℃時の代表値は35mΩ)に低減すると同時に、高いスレッショルド電圧と低ダイオード順方向電圧を提供するとしている。

さらにCCPAK表面実装パッケージ製品では、オン抵抗を39mΩ(最大値。25℃時の代表値は33mΩ)に低減。カスコード構成により、従来のSi MOSFETドライバを使用した駆動も簡単になるという。

NexperiaのGaNストラテジック・マーケティング・ディレクターのDilder Chowdhury氏は、「電気自動車のオンボード・チャージャ、DC/DCコンバータ、トラクション・インバータや5G、データセンタ向けの1.5~5kWの範囲の産業用電源などのアプリケーションで、顧客は650Vならびに30~40mΩ程度のオン抵抗での大電力変換を実現する上で、高効率でコスト効率の高いソリューションを必要としている。Nexperiaは次世代GaNプロセスを使用した製品の開発や拡充への投資を続けており、今回、従来からあるTO-247パッケージ製品と電源モジュール・メーカー向けのベアダイ製品を提供し、その後、高性能表面実装CCPAKパッケージ製品を投入する」と述べている。

なお、両パッケージとも、Automotive Electronics Council(AEC)の車載向け半導体規格「AEC-Q101」に準拠した製品も用意されており、TO-247パッケージの650V「GAN041-650WSB」と、CCPAKパッケージの「GAN039-650NBB」のサンプル供給がすでに開始されている。

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    Necperiaの次世代GaN FETデバイスのイメージ