この半導体ニュースのまとめ
・AMDがエッジ向けサーバCPU「EPYC 8005」の製品ラインアップを公開
・8~84コアの7製品を用意
・vRANやエッジAIなど電力・スペース制約環境での採用を想定
AMDは5月19日(米国時間)、Zen 5ベースのエッジや通信インフラ向けサーバCPU「AMD EPYC 8005」(開発コード名:Sorano)の製品ラインナップなどを公開した。用途ごとに最適化された複数SKUを揃えることで、電力や設置スペースに制約のある環境での採用拡大を狙う。
エッジ用途に最適化されたシングルソケットプラットフォーム
EPYC 8005シリーズは、シングルソケット構成のサーバCPUで、8コアから最大84コアまでの幅広いラインアップを提供する。Configurable TDPは70Wから225Wとしており、システム設計に応じて性能と電力効率のバランスを選択可能とした。
エッジや通信基地局といった環境では、設置スペースなどの都合から冷却能力が限られるため、シングルソケットで高性能を実現できる構成が重要となる。同シリーズは、この点に対応することを目的に、より少ないノードでの処理集約を可能にすることで、インフラ全体の効率化を狙うものとなる。
Zen 5世代でコア数・メモリ性能を強化
同シリーズは、Zen 5アーキテクチャを採用することで、前世代のEPYC 8004と比べてパフォーマンスと効率を向上させたとしており、DDR5-6400を6chサポートし、最大3TBのDRAM容量を搭載可能で、かつ96レーンのPCIe Gen5をサポートすることで、前世代のAMD EPYC 8534Pと比較して、SPECrate 2017の整数スコアが40%向上しているとするほか、分散ストレージシステムであるCephFS(Ceph File System) RADOS(Reliable Autonomic Distributed Object Store)のスループットが約1.23倍向上するとしている。
vRANやエッジAIなどでの活用を想定
同シリーズは、主に通信インフラ(vRAN)、エッジAI(店舗・工場・拠点)、クラウドストレージノードなどでの活用を想定しており、特に通信分野ではNEBS対応設計を前提にしたOEM展開も想定され、屋外設備や基地局といった環境での運用も視野に入れる。また、静音空冷前提の設計により、店舗や公共空間などでも設置しやすい点を特徴とする。
さらに、データセンター向けCPUであるEPYC 9005シリーズと同じx86命令体系を採用。AVX-512をサポートする統合型x86 ISAにより、コードの書き換え、再コンパイル、アプリケーションの再設計などを行うことなく、ワークロードのクラウドからエッジへとシームレスな移行を可能年、運用負荷の低減といった付随的なメリットも提供できるとする。
エッジにおけるバランス設計を意識
今回公開されたラインナップは、84コア品のほか、64コア/48コア/32コア/24コア/16コア/8コアとなっており、コア数とそれに伴う消費電力を用途ごとに最適化でき、かつシングルソケットとすることでフットプリントも最小に抑えることができるバランス設計を意識したものとなる。
エッジAIやAI処理の分散ニーズが高まる中、高い性能だけでなく、消費電力や設置に関する制約などを踏まえた総合的な最適な対応が求められる傾向が強まることが予想され、同シリーズはそうした要件に対応する選択肢を提示したものとなると言えるだろう。

