この半導体ニュースのまとめ
・日清紡マイクロが静止電流85nAの降圧DC/DCレギュレータを発表
・軽負荷から重負荷まで高効率動作が可能でIoT機器の電池寿命を延長
・低リップル・高速応答により通信機器やセンサー用途の安定動作を実現
日清紡マイクロデバイスは5月20日、民生およびIoT用途向けの降圧DC/DCスイッチングレギュレータ「NC2650シリーズ」を発表した。オン状態ながら無負荷時にデバイス自身が動作するために消費する静止電流(Iq)が85nAと低く抑えつつ、最大1Aの出力電流に対応することでIoT機器やセンサーなどバッテリ駆動機器の長寿命化を狙うことを可能とする。
IoT普及で高まる「待機電力削減」ニーズ
IoT機器の普及が進む中、センサーやセキュリティ機器では一次電池で長期間駆動させるニーズが増えている。このため、通信機能の高度化と並行して、スタンバイ時の消費電力低減が重要な設計課題となっている。
特にワイヤレスセンサーネットワーク(WSN)では、通信時の電流増加と待機時の省電力の両立が求められ、電源ICの性能がシステム全体の電力効率を左右するようになっているという。
静止電流85nAで待機電力を削減
同シリーズは、従来品比で約3分の1の自己消費電流(静止電流)となるIq=85nAを実現したことで、待機時間が長い機器における電池寿命の延長を可能とするほか、PWMとPFMの自動切り替えモードの搭載により、軽負荷時から重負荷時まで最適な動作を自動で切り替えを行うことを可能とし、従来品と同等の重負荷時の高効率を維持しながら、スタンバイ時に相当する軽負荷領域(IOUT=1~10μA)においても80%以上の効率を実現するなど、全領域での高効率動作を実現したとしている。
低リップルと高速応答で通信品質を向上
さらに、低消費電力と両立が難しいリップル電圧特性において、Typ.10mVpp(低消費電力と両立が難しいリップル電圧特性において(IOUT=500mA時)の低リップル電圧を実現するとともに、負荷過渡応答特性を改善し、電圧ドロップを従来品比で半減したとする。これにより、無線通信やセンサー信号処理などノイズに敏感な用途でも、安定した電源供給と通信品質の向上が可能になるとする。
小型・高密度実装でウェアラブルにも対応
パッケージには1.47mm×0.87mmという小型のWLCSPを採用。高密度実装に対応することで機器の小型化にも寄与できるため、同社では補聴器やメディカルパッチ、スマートウォッチといったウェアラブル機器に加え、IoTエッジ端末やキーレスエントリー、各種センサー機器などへの適用が想定されるとしている。
軽負荷時の高効率で差別化
DC/DCレギュレータでは従来、最大効率や大電流性能が重視される傾向があったが、IoT用途ではむしろ待機時間の長さから軽負荷時の効率や静止電流が重要な設計指標となりつつあるといえる。
同シリーズは、こうした用途特性に対応し、軽負荷領域を含めた総合効率を高めることで、そうしたIoT時代のバッテリー駆動機器に求められる長期運用を支えるソリューションとしての位置づけを狙ったものと考えられる。
なお、1000個購入時のサンプル価格(参考)は220円で、すでにサンプル受注は開始済み。量産時の月産規模は100万個としている。

