• 事務所でミニチュアを作る小島美羽さん (C)フジテレビ

今回の密着を通して、「孤独死」という言葉へのイメージが大きく変わったそう。「今までは、一人暮らしの高齢者の方が孤独死してしまう印象が強かったのですが、小島さんから、22歳の大学生が1人で首を吊って死んでいたとか、岩手から上京してキャバクラで働いていた女性がこのご時世に餓死していたという同世代の例を聞いて、自分にもあり得る問題だなというのを感じました」と無関係ではない事象に。

同時に、自身の家族をあらためて大事にしようという思いも強くしたといい、「二世帯住宅でおばあさんが孤独死していた現場もあったというので、家族と同じ家に住んでいると言っても、やっぱりコミュニケーションがないと孤独死が起きてしまうんです。私の実家は7人家族なんですが、祖父と祖母がいる部屋と、父・母・弟たちが生活している空間が若干分かれている部分があるので、コミュニケーションをずっととってほしいと思いますし、家族に会いたいなと素直に思いました」と心境を吐露した。

■負のイメージを払拭するために

もう1つのイメージの変化は、すべての「孤独死」が“寂しくてかわいそう”や“悪いこと”ではないということ。「亡くなる前日まで家族と会っている場合もあるわけですし、『孤独死』とひと括りに言われても、いろんな事例があるんです。小島さんは『最期の場所というのは自分で選べるもの』と言っているんですが、病院で死ぬか自宅で死ぬかを選ぶのと同じように、たまたま自宅で亡くなっただけの話で、“いけないこと”ではないんですよね」

この負のイメージを払拭するため、小島さんと増田さんが「孤独死」という言葉自体を変えたいと訴えているのが、特に印象に残っているという。

「ここまでマイナスなイメージが付いてしまったので、例えば『自宅死』という候補もあるんです。小島さんが講演などでそのことについて話すと、『そもそも“死”という言葉を使わないほうがいいんじゃないか』という意見も出てきたそうです。こうやって言葉まで変えたいというところに、すごくエネルギーを感じました」