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【この記事のエキスパート】
ピアノ講師・元大手楽器メーカー勤務:山野辺 祥子
武蔵野音楽大学出身。卒業後某大手楽器メーカーの法人部に入社。
音楽教室の運営や講師指導のサポート、店舗接客、楽器セッティングなどを担当するイベントクルーとして全国を飛び回る。また、出版部に在勤中は楽譜校正、楽譜情報誌編集の経験も。
現在はピアノ講師のかたわらフリーランスライター、校正者として活動中。プライベートでは3児の母。
トランペットを演奏するうえで必須のアイテム「マウスピース」。トランペット初心者は、何を基準に選べばいいか迷ってしまいますよね。この記事では、ユーザーのイチオシ、ピアノ講師で元大手楽器メーカー店員の山野辺祥子さん、編集部が選んだおすすめのトランペット用マウスピースを紹介します。
カップ容量・リムサイズで選ぶ!
トランペット用マウスピースの選び方
ピアノ講師・元大手楽器メーカー店員の山野辺祥子さんにお話をうかがい、トランペットマウスピースの選び方のポイントを教えていただきました。マウスピースは口にあてたときにぴったりとあうものを選ぶのが重要です。唇とマウスピースとのあいだに違和感があると息が出しづらく吹いていると疲れたり、上達をさまたげたりする要因になりかねません。
そのほかに以下で紹介するマウスピースの内部の構造や表面の素材なども重要な要素です。ぜひトランペットマウスピース選びの参考にしてください。
初心者は「B」「C」、唇が厚い方は「W」がおすすめ
カップ容量で選ぶ
マウスピースのカップは大きさの違いがあり、もっとも浅いものがA、もっとも深いものがEというようにA~Eの種類があります。標準的な深さはCであり、初心者の最初の1本としてはB、Cが便利です。また、厚い唇の方でも吹きやすいWもあります。
D、Eなどカップが大きいと出す音のボリュームが調節しやすく音が出しやすいです。一方、A、Bなどカップが浅いものは高い音域が出しやすく、深いものは中音域が出しやすくなります。ジャズのソロなどで、高音域を華やかに演奏する機会が多い場合は浅めのカップを選ぶと便利です。
オーケストラはリム大きめ、吹奏楽は標準、ビックバンドは小さめがおすすめ
用途に応じてリムサイズを選ぶ
リムはマウスピースのうち直接唇にあたる平らな部分のことです。唇にあたる部分はリムの厚さの部分ですが、音の響きに関わるのは、カップの縁にあたるリムの内径です。
一般的にリム内径が小さいと縁が厚くなるためマウスピース自体の耐久性が高く、高い音程が出しやすいです。ただし出る音量が小さくなる傾向があります。逆にリム内径が大きい場合、耐久性が劣るものの低音域が安定し大きな音が出しやすくなります。
そのためオーケストラはリム内径が大きめ、吹奏楽は標準、ビックバンドは小さめと用途ごとに好まれるリム内径が異なる傾向があります。
高音や低音向きなど音域を左右
表面仕上げの材質を比較して選ぶ
トランペットマウスピースはおもに真ちゅう(しんちゅう)でできていて、腐食防止などの目的でメッキが施されています。同じトランペットマウスピースでも表面の素材が異なるものがあります。それぞれの材質の特徴や価格のバランスを踏まえて選びましょう。
耐久性にすぐれ低音がだしやすいスタンダードな「銀メッキ」
真ちゅうとの相性がよく費用もおさえられることから、もっとも標準的な種類が銀メッキです。はがれにくく耐久性にすぐれ、低音でややダークな響きが特徴です。
銀メッキだけを施したマウスピースのほか、ものにより内部にニッケルメッキを施した上に銀メッキ処理をしている場合があります。長年の使用ではがれる場合があるため、注意が必要です。
値段は高めだが高音がだしやすくなめらかな口触りの「金メッキ」
金メッキは銀メッキよりも唇にあてた際の抵抗が少なく、非常になめらかで高音がだしやすいのが特徴。使い手の好みにかかわりますが、あたりがなめらかなことで唇が自由に移動できます。きめこまやかな響きとスムーズな息の流れが作れ、柔軟性に富んだ吹き方ができます。
ただし、金が希少なため値段が高くなる傾向があります。そのためリムや内径だけに金メッキ処理をした製品もあります。
珍しい外観にあたたかな音色、高級感漂う「ピンクゴールドメッキ」
ピンクゴールドメッキとは、金に銅などを加えてやや赤みがかった色のメッキです。
金メッキと同様に口あたりがやわらかいものの、金メッキよりはやや抵抗があるため、金メッキでは滑りすぎると感じる場合に使いやすいです。
銅を含むことで深みとあたたかみのある音色が加わります。販売されているマウスピースにカスタマイズしてメッキを施すことも可能です。
カラフルで視線を集める「樹脂製」
材料の研究や加工技術が進歩したことで、樹脂製のトランペットマウスピースも登場しています。
樹脂製のマウスピースは口あたりがなめらかで豊かな音色が楽しめます。カラーバリエーションが豊富なため、珍しい色あいで目立ちたい場合にも向いています。また、金属製マウスピース特有の温度感がありません。気温が高い場合でも低い場合でも安定して吹ける点がメリットです。
シグネチャーモデルであこがれのプレイをめざす
よりいっそうのスキル上達を図るなかでお気に入りのプレイヤーに出会う場合があるでしょう。トーマス・フートゥン、ボビー・シュー、神代 修、エリック・ミヤシロなどジャンルを問わず多くのアーティストのシグネチャーモデルが発売されています。
すぐに各アーティストと同じプレイができるようになるわけではありませんが、あこがれのプレイをイメージすると、演奏や練習する際のモチベーションが大きく高められるでしょう。
トランペット初心者は本体に付けない「練習用タイプ」もおすすめ
初心者には、トランペットにつけずマウスピースのみで使える練習用タイプもおすすめです。トランペットをまったくふいたことがなくても気軽にチャレンジできるのが魅力です。
サイズもコンパクトで音も小さめなものが多いので、自宅など場所を選ばず練習ができるのもうれしいですよね。トランペットじたい安いものではないですから、こうした練習用のマウスピースを購入し、入門へのハードルをさげてみてはいかがでしょうか。
主要メーカーのYAMAHA、Bachから選ぶ
トランペットの主要メーカーはYAMAHA(ヤマハ)、Bach(バック)、B&S(ビーアンドエス)、Schilke(シルキー)など。本体とマウスピースは異なるメーカーでも組み合わせが可能です。
トランペットマウスピースは複数のメーカーから発売されていますが、種類の多さや入手しやすさ、価格などを考慮すると、YAMAHA、Bachのものが選びやすいでしょう。
初心者必見!各メーカーの本体もチェック
トランペットのおすすめと選び方はこちら
ピアノ講師・元大手楽器メーカー店員がアドバイス
マウスピースを選ぶ際は、楽器店で試奏し比較を!
【エキスパートのコメント】
トランペットのマウスピースは同じ型番でも一つひとつに個性があります。奏者の口の形、唇の厚さ、しいては体格や肺活量によっても音色や吹きやすさが変わってきます。楽器店で納得のいくまで試奏し、より相性のいいマウスピースと出合ってください。
選び方のポイントはここまで! では実際にエキスパートが選んだ商品は……(続きはこちら)