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【この記事のエキスパート】
芸術大学教員/DIYアドバイザー:野口 僚
徳島県の家具メーカーにて木製家具の製造に携わり、機械加工、仕上げ、組み立て、塗装など木工全般と家具製造ノウハウを培いました。
その後東京では業界新業態の体験型DIYショップで店長として勤務。店頭ではお客様の相談に乗りつつ、一人一人にぴったりのDIY用品を提案してきました。
同時にDIYレッスンの企画と講師を行い、日本のDIY文化発展のために努めてきました。
現在は大学のデザイン学部の助手として大学内工房に在中し、
学生に対しデザインやモノづくりの手法などを主に教えています。
プラスチック接着剤は大切な作品の制作や、家のものを補修する際の心強い味方です。ここでは、DIYアドバイザーの野口 僚さんと編集部が選んだプラスチック接着剤のおすすめ商品と選び方のポイントをご紹介。記事後半には、通販サイトの最新人気ランキングもあります。
プラスチック接着剤の使用のポイント
プラスチック接着剤についてしっかり理解していなければ、できあがりの見栄えが悪くなったり、しっかりと接着できなかったりするおそれもあります。それぞれの特徴や接着方法を理解しておきましょう。
プラスチック接着剤の種類の違いをおさえておこう
セメダイン『ハイスーパー5(CA-186)』
専門用語も多く、なんとなくで選びがちなプラスチック接着剤。ですが、3種類の個性を把握するだけでも理解が進むはず。そこで、エポキシ系、瞬間系、シリコーン系の3種類を紹介していきます。
●耐熱性や強度を重視するなら「エポキシ系」
ヘンケル『LOCTITE 多用途補修パテ プチ(DEP-030)』
エポキシ接着剤は、耐熱性や強度が高いのがポイントです。基剤と硬化剤の2液を使用し、温めることで固めるのが一般的。熱の力を借りているため、温度の低い場所では効率的に接着できない場合もあります。
●硬化時間を早めたければ「瞬間系」
スリーエム(3M)『スコッチ 強力瞬間接着剤』
もともとプラスチックへの接着が難しいとされていた瞬間接着剤。今では、プライマー液を利用することでポリプロピレンやポリエチレンにも対応できるようになりました。すぐに接着したいときや、作業スピードを上げたいときに役立つでしょう。
●温度変化に柔軟に対応する「シリコーン系」
コニシ『ボンド MOS8』
外で使用するものだと、夏は暑さ、冬は寒さに耐えられるかが気になるところです。シリコーン系なら氷点下にも対応しているものまであり、温度変化に強い傾向があります。また、硬化した際にゴムのように弾力があり、振動にも強いのが特徴です。
事前処理で接着をより効果的にする
コニシ『ボンド FRP補修用』
表面にほこりや水分が付着していると接着力が落ちる原因になるため、接着面は事前にキレイにしておきましょう。
また、プラスチックには、金型から剥がしやすくするための離型剤としてシリコーンが表面に付着していることがあります。離型剤が付いていると接着力を阻害されることがあるため、サンドペーパーで表面を軽く磨くのも効果的です。
ホットメルト系を使った接着方法もある
プラスチックの接着には、グルーガンを使ったホットメルト系を使うこともあります。比較的幅広いものに対応し、有機溶剤を使っていないため安全で環境にもやさしいのがポイントです。関連記事にて紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
プラスチック接着剤の選び方
ヘンケル『LOCTITE 強力瞬間接着剤 パワージェル(LPG-010)』
上記、プラスチック接着剤の特徴をふまえたうえで、ここからは商品の選び方のポイントをご紹介します。ポイントは下記4点。
【1】接着する素材に合わせて適切なものを選ぶ
【2】プラスチック以外の素材と接着させるなら多用途タイプ
【3】目立たない色を選ぶ
【4】UVライトで硬化するタイプもポイント
プラスチック接着剤は、接着したい素材に合ったものを選ぶことが重要です。各商品の接着可能な素材を必ず確認しましょう。
また、一部の素材は通常のプラスチック接着剤では接着しづらいものや、専用の接着剤が存在するものもあります。注意したい素材と対応した接着剤をご紹介するので、確認しておきましょう。
【1】接着する素材に合わせて適切なものを選ぶ
素材によって使うプラスチック接着剤がかわるので、解説していきます。
●ポリエチレンやナイロンには難接着物用
セメダイン『難接着材料用接着剤PPX(CA-522)』
ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンといった接着しづらいプラスチック素材に使いたいときは、難接着物用と表記されているものを選びましょう。プライマーという接着性を上げる下地処理剤がついたものや、そのまま使える万能タイプもあります。
普通のプラスチック接着剤だと、注意書きにこれらの素材は接着できない旨が書かれている場合が多いです。
●溶かして固定するアクリル接着剤
アクリサンデー『接着剤 アクリル樹脂用(14-3201)』
アクリルやABS樹脂などを接着するのに役立つのがアクリル接着剤。素材が溶けることを利用し、接着面を溶着できるタイプです。
強力に固定することが可能で、仕上がりも美しいことがメリット。ただし、溶着するため剥がしたくなっても元に戻せない点と、対応する素材が限られる点には注意が必要です。
●ポリエステルなどの合成繊維には布用の接着剤
コニシ(KONISHI)『ウルトラ多用途クラフト(#04965)』
合成繊維であるポリエステルを接着したいときは、布用接着剤を選ぶとよいでしょう。硬質プラスチック用ではうまく接着できないことがあるため、注意が必要です。
合成繊維だけではなく、ほかの布素材や革にも使えるタイプは、手芸作品にも使いやすくおすすめです。
【2】プラスチック以外の素材と接着させるなら多用途タイプ
プラス『Pritt 強力瞬間接着剤 ブラシ付き』
金属や木材といったプラスチック以外の素材と接着させたいなら、多用途タイプがおすすめです。なおかつ、耐水性などの性質をもった多用途タイプ接着剤もあるので、いざというとき便利です。
【3】目立たない色を選ぶ
GSIクレオス『Mr.セメントSP/スーパーパワー(MC131)』
とくに色の指定がないなら、硬化後に目立たない色を選ぶようにしてください。商品によっては、クリアだと思っていたのに乾いたら黄色っぽく見えるものもあります。購入前に硬化後の色の変化について確認しておきましょう。
【4】UVライトで硬化するタイプもポイント
BONDIC EVO(ボンディック エヴォ)『液体プラスチック補修剤(BD-SKEJ)』
最近では、UVライトで硬化させるタイプもあります。接着剤を塗布後ライトを当てると数秒で硬化するため、プラスチックやガラス、陶器などの補修、修復におすすめです。また、硬化後は、研磨や塗装などの加工が可能です。
DIYアドバイザーからアドバイス
【エキスパートのコメント】
素材の種類や硬さから選ぶと失敗しにくい
プラスチックは難接着といわれるポリプロピレン、ポリエチレンをはじめ、やわらかいものから硬いものまでさまざまな種類があります。できる限り接着する素材が、何という名前のプラスチックなのかを確認してから、商品情報とよく見比べて選ぶと失敗を防げます。
やわらかい物には乾燥後も固まらない接着剤を、硬い素材にはカチカチに固まる接着剤を使用すれば、ひび割れや剥離がおきにくいです。