西山女王が先手中飛車で加藤女流三段を破る。この勝利で番勝負はタイとなり、改めて三番勝負で女王の座を争うこととなった。

将棋の女流タイトル戦、第13期マイナビ女子オープン五番勝負第2局(主催:マイナビ)が4月16日に行われました。2期前に西山朋佳奨励会三段が加藤桃子女王から3勝1敗で奪取したタイトルであり、今期は逆に加藤女流三段がタイトル奪還を目指しています。

第1局は加藤女流三段が振り駒で先手となり、序盤から徐々に優勢となってそのまま勝ちきりました。第2局、西山女王が先手番で巻き返しイーブンとするか、それとも加藤女流三段が女王獲得へリーチをかけるのか注目の一局となりました。

西山女王は先手中飛車を採用し、美濃囲いを選択。対する加藤女流三段は居飛車で持久戦調の駒組み。第1局と同様に対抗形の将棋となりました。

西山女王は三間飛車に振り直して角を引いて7筋に狙いをつけますが、ここで加藤女流三段が5筋の歩を突いて開戦。加藤女流三段は銀を強気にぶつけ、銀交換が成立しました。さらに西山女王が再び5筋に飛車を転換し5筋突破を狙って来たのに対し、なんとこれを受けずに銀を角取りに打ち込みました。

加藤女流三段が5筋に飛車を回り、飛車交換と飛車成りの両狙いとしたところ、西山女王は飛車交換に応じました。西山女王が囲いの金に銀を引っ掛けて勝負は終盤。手番を握った西山女王は後手玉を上部に引きずり出します。玉頭は金2枚で押さえて、下からは竜の挟撃態勢。対して加藤女流三段も飛車、馬、と金の3枚で先手玉に迫って行きます。

最終盤、どちらも玉が危ない形となりましたが即詰みはなく、最後に抜け出したのは西山女王でした。西山女王は詰めろ詰めろで迫り、加藤玉を受けなしに追い込みます。加藤女流三段は33分考え、何とか逆転の手段を探りましたが、手は残されていませんでした。それから数手後の101手目を見て、加藤女流三段の投了となりました。

この勝利で西山女王が1勝1敗のタイとし、番勝負は改めて三番勝負となりました。

第3局は5月12日に東京・将棋会館で行われます。

第2局を制した直後の西山女王
第2局を制した直後の西山女王