新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言がついに発令された。特に対象の自治体で暮らす人は、なかなか外出できない日々が続くことになる。いつも会っていた職場の人や友人などと交流する機会も減ってしまうだろう。

そこで今回、アラサー子持ちの筆者が、友人たち4人と一緒に「オンライン飲み会」をやってみた。

お酒もおつまみも自分の好きなものだけ

オンライン飲み会のメンバーは、大学時代の先輩や友人など全部で5人。娘の昼寝に合わせて、週末・午後1時のスタートとした。気心の知れた間柄ということもあって、純粋に顔を見て話せるのがうれしく、ついウキウキしてしまう。

いつもは適当にチーズや乾きものを口に入れ、発泡酒を缶から直飲み、というかなり雑な家飲みスタイルをとっているのだが、ちょっと飲み会っぽく、おつまみを皿に盛ったり、良いグラスを用意したりしてみた。普段の飲み会と違い、他の人の好みを気にせず、ワガママなセレクトができるのはうれしい。

多分もっとセンスのある人なら、おしゃれに生ハムを並べてみたり、良いワインを用意したりできると思う。こんな時だからこそ、デリバリーを活用してもいいだろう。お酒代も含めれば、きっと飲み会より安上がりなのも、オンライン飲み会の利点だ。

  • 自宅居酒屋は、生活レベルが露呈した仕上がり

自宅で友達と鍋パしてるような楽しさ

今回は有料アカウントを持っていたので、オンラインツールとして「Zoom」を利用した。主催者がアカウントを登録し、ミーティングルームを設定。共有すれば、他の参加者はアカウントを作ることなく利用できるのが特徴だ。

ただセキュリティ上の管理には十分に気を付ける必要があり、連絡先を知っている間柄であれば、LINEのグループ通話機能や、Gmailから利用できるウェブ会議「Meet」を活用するのもいいだろう。

娘もいつも通り、布団の上で眠りについてくれた。あらかじめ設定されたミーティングルームにアクセスして参加者を待っていると、続々と画面上に登場してくれる。

  • 画面はこんな感じ。意外と表情のちょっとした動きもちゃんとわかる

うれしいような、でもなんだか気恥ずかしいような感じで、初めの会話はちょっとぎこちない感じ。でもすぐに普段通りの空気感が醸成されていった。

それぞれの在宅勤務の状況やリモートコミュニケーションのコツ、といったまじめな話題から、おいしいワインや、最近読んだ本、今買いの株式の話題まで、とにかく雑談が止まらない。最終的には会社や上司の愚痴に収斂していく感じも通常運転。

私もそうだが、久しぶりに家族や同僚以外と話した、という参加者も多く、言いたいこと言ってスッキリした!って感じだ。

話題に出た商品もすぐにチャットツールでURLを共有できるのでストレスがないし、何より自宅というのが気楽。気心の知れた仲なら部屋着でも気にならず、大学生のとき、夜みんなで誰かの家に集まって、鍋パしたときの感じに雰囲気としては似ている気がする。

子どもの乱入で一気に崩壊! でも、楽しかった!!

と、いい感じで進んでいたのだが、ここでいつもより1時間早く、娘が昼寝から目覚めてしまった。こうなると、おしゃべりに集中できない。キーボードをいじりだしたり、「ママ! アンパンマンの絵を描いて!!」「ママ! 見て!!」の繰り返しとなり、あっけなく、私の自由時間は終了したのである。

他のメンバーも「夫が居心地悪そうにしている」「夫が帰ってくる」などで、惜しまれつつも、1時間半で飲み会は終了。環境にもよるが、完全に職場や家庭から切り離される居酒屋のように、現実逃避し、自由気ままに話す、というのは少し難しいかもしれない。

また、話すタイミングがかぶると、どちらが譲るのか? という微妙な空気が生まれたり、会話が重なると聞き取りづらかったりもした。オフラインの飲み会以上に"大きな声出したもん勝ち"感があるし、6人以上になると、なかなかみんなで会話するのは厳しくなってくるかもしれない。

ただ、子どもが乱入中はマイクをミュートにして話を聞くのに集中することもできるし、子どもを誰かに預ける必要もない。移動もないし、飲み会中にお酒をつぎあったり、オーダーを気にしたり、精算時にわたわたしたりする必要もないのである。個人的には、大満足の結果だった。

自分では気づかなくても、外出自粛によるストレスは日々積もっていくはず。オンライン上ではあるものの、実際に顔を見て、話すことで、一気に気持ちが明るくなる。こんな機会だからこそ、普段はあまり会えない、長いこと会っていない人とも連絡を取り合って、オンライン飲み会を敢行してみてはいかがだろうか。