富山県で女性用下着の企画・製造を手掛ける「あつみファッション」(@AtsumiFashion)がツイッターで公開した、ブラジャーのような……マスク!? 多くの人の注目を集め、話題になっていました。

  • ぱっと見、ブラジャーにしか見えない!? コメント欄には「これは予約したい」という人も ※タップで拡大

全体のデザインは、まるでブラジャーの“カップ”なのですが、よく見るとストラップの部分が耳にかけやすいように細い作りになっていたり、カップ中央に折り目がついており呼吸しやすいようになっていたり……。機能性はマスクそのもの。

以前にも個人でブラジャーを改造しマスクを作った女性が話題になったことがありましたが、あつみファッションは女性下着の製造を手掛ける、プロ中のプロ。なぜ今回、ブラをマスクにしてしまうという驚きの取り組みを行うことになったのでしょうか。

あつみファッションに取材し、経緯などを聞いてみました。コロナウイルスに関連する騒動の影響で、富山県・氷見市でマスクの在庫が枯渇。市からマスクの製造を依頼されたことが、ブラジャーデザインのマスクを作るきっかけになったんだそう。

  • 氷見市からの依頼で生産中のマスク。言われてみれば、ブラっぽいような……。すべて手作業で、一日におよそ200枚を作ることができるんだとか ※タップで拡大

ただ、「実は、投稿したレース付きのマスクは、ネタとして投稿したものなので、現時点では市場への供給はできないと思います」とのことでした。しかしながら、「生産や供給に目途が立ってきたときに、ECサイトでの販売を検討しています」と一般販売の可能性もあると教えてくれました。

女性下着メーカーとしての技術力や、ブラジャーに関するノウハウが、今回のマスク作りに役立った点はあるか聞いてみたところ、

「通常使われるような生地や不織布ではないので、当社製のマスクであれば、ブラジャー工場でしか、この素材は無いと思います。

また、ブラジャー生産の工程の中には、この少し張りのある生地を平面から立体にする作業が発生しますので、鼻の曲線の型紙の作成・縫製については、大いに役に立っていると思います」。

と、素材の知見や技術力が惜しみなく注ぎ込まれていることを話してくれました。