新型コロナの影響で市場からマスクが消えて久しい。中国産が大きなシェアを占めるほか、転売屋や不安からの買い占めが、深刻なマスク不足の原因と見られる。布マスクすら売り切れるなか、救世主とも言えるマスクが、朝比奈 夢乃さん(@asahinayumeno)によって開発された。
女性が着けるとおしゃれだが、男性が着けるには勇気が必要かも
材料は使い古したブラジャーがあればいい。必要なのは針と糸があればできる。そんなブラマスクを、被写体業も営む朝比奈さんが試着してみせた。
これは意外とクオリティが高いおしゃれ柄のマスクに見えなくもない。いや、嘘だ。これはブラを付けている人にしか見えないかもしれない。だがブラをマスクにする人なんていないので、やはりおしゃれ柄マスクに見える可能性も。
朝比奈さんは丁寧にブラジャーマスクのレシピを公開。お裁縫さえできるなら誰でも簡単に作れそうだ。しかし、朝比奈さんはなぜ、ブラマスクを作ろうと思ったのか。気になることを、モトタキ記者がインタビューしてみた。
ブラマスク製作者・朝比奈さんに開発秘話を聞く
――ブラマスクを作ろうと思ったきっかけや、その時の心境を教えてください。
朝比奈さん:
「一番の理由は暇を持て余していたからです。そして、暇ゆえに、誰かを笑わせるネタを披露したいな、とも思っていました。その日はたまたまタンスを整理したばかりで、10代の頃に着けてた思い出のブラを大量に洗って干していました。
それを眺めていたら、変態紳士な友人が言ってた『ブラってマスクにしたら最高だと思うんだよね』の声が聞こえてきて、もしかしたらバズれるかもなんて考えながらブラマスクを製作しました」
――一発ネタのつもりでやってみたんですね。これを着けて、外を出歩きましたか?
朝比奈さん:
「出かけてみたいですが、やはり少々勇気がいります。ブラも水着もたいして変わらないと思ってるので大丈夫なはずなんですけど、おかしいなぁ~。貴族っぽいドレスにこのブラマスクで撮影してみたいとは思ってます」
――実際、ブラマスクを着けた人を外で見たらどう思います?
朝比奈さん:
「まず、その勇気に拍手喝采。デザインがブラのようなマスクも存在するようなので違和感なく溶け込めるかなぁ。見てみないとわからないですね」
――ちなみにリアルの反響はどうでした?
朝比奈さん:
「家族に画像をLINEしたら、ウケるなどとのお褒めの言葉をもらい嬉しかったですね」
――ネットの反響で、面白かった反応はありますか?
朝比奈さん:
「面白かったのは『男性がしたら変態仮面になるんじゃないか!?』という反応ですね。男女で区別する概念がこの世から薄くなればなーという考えが、漠然としたものでは無くなりました。
フェミとか、なんちゃらとかはよく分からないんですが、男女で人間をくくるのはくだらないと思ってます。悪用しなければ、男女問わず好きなものを着て、身に付けて生きていけばいいと思います」
――実際マスク難民に性差はありませんからね。ブラマスクを作る上で、改良点などはありますか?
朝比奈さん:
「一番お伝えしたかったのは、耳にかける部分の肩紐についてです。ブラの肩紐は意外と硬いので、縫い合わせる前に自分の顔から耳に合う長さをちゃんと用意したほうがいいです。実は1つ目のブラマスクはそれが理由で失敗作になってしまいました。
ぴったりの長さを用意するのが手間なら1つのマスクに両肩紐使って、アジャスター部分を活かして長さを調整できるようにしたらいいかも。あとはワイヤー入りよりノンワイヤーが良さそうです。
ワイヤーがあれば顔の形にある程度動かせるから悪くないけど、密閉され過ぎても蒸れちゃいそうですから……。スポーツブラのような扱いやすくて更に通気性の良いものの方が実用的ではあるのかな。作ってないから分からないんですけど(笑)」
――ブラマスクでバズってみて思ったことってありますか?
朝比奈さん:
「私のは半分ネタなので、興味のある人やプロの人が工夫して新たに使い捨てではないおしゃれで実用的なマスクを創り出してくだされば嬉しいですね。風邪や花粉や鼻炎を少しでも楽しめるものになるかもしれないので良かったらお願いします。私も一年中鼻炎でぴえんですので。
しかし、いくら飛んでくるリプライや、ブラマスクで検索するのが楽しくてもきちんと寝なきゃダメよって思いました。バズり始めてから私の生活リズムは見事に崩れ始め、週末には数年ぶりに2、3日寝込んでしまいましたからね」
求む! さらなる改良を求めたブラマスク職人!! というべきか。ただブラマスクはあくまでネタとして、用法用量を守って正しくお使いいただきたい。
使わなくなったブラジャーでマスク作ってみたw
— 朝比奈 夢乃 (@asahinayumeno) March 3, 2020
必要なの針と糸だけ pic.twitter.com/onSOT7TnVu