坂口健太郎が映画単独初主演を務め、ヒロインとして永野芽郁が出演する『仮面病棟』が公開中だ。知念実希人によるベストセラー小説を実写化した同作では、鉄格子で閉ざされた元精神科病院で医師・速水(坂口)が、ピエロの仮面をつけた凶悪犯に追い詰められる。負傷して運び込まれた美少女・瞳(永野)や職員、患者とともに監禁された速水が、現状を打破するために奮闘する姿は緊迫感溢れ、先の見えない展開にドキドキする物語となっている。
今回は、坂口&永野にインタビュー。作中の姿とは一転、まるで兄妹のようにナチュラルな2人に、互いの印象や、作品の見どころについて話を聞いた。
■ピエロ映画が来ている…?
――お二人は2015年に公開された『俺物語!!』以来の共演となりますが、相手役と聞いた時にどのようなことを感じましたか?
永野:嬉しかったです。私は脚本をいただくと共に「坂口さんが主演」というお話を聞いて、緊迫感があって精神的にも大変な作品だろうとは思ったんですけど、純粋に「坂口さんが主演ならぜひやりたい」と思いました。
坂口:ありがたいお言葉です。
永野:『俺物語!!』が終わった後も、CMの撮影が一緒だったり、ドラマの撮影が隣のスタジオだったりと、ご挨拶する機会もあって、ずっと勝手にお兄ちゃんみたいな人だと思っていたので、失礼かもしれないけど、緊張感がまったくなく……。
坂口:(笑)
永野:純粋に、一緒にできるのが嬉しいという気持ちだけでした。
――『俺物語!!』の時から、緊張感はない間柄だったんですか?
永野:基本的に誰にも緊張感を与えない方なんです。
坂口:いやもう、みんなピリピリしてますから!(笑)
永野:うそつけ!(笑)
――坂口さんは、永野さんと共演と聞いていかがでしたか?
坂口:『俺物語!!』では、がっつり2人一緒のシーンはなかったんですけど、現場にいた時の姿を見ていたし、本当に妹のような感じだったので、また彼女と一緒にお芝居できるのが楽しみでした。クランクイン前から、大変そうな現場だと思ってたんですよ。ずっと密室での撮影だし、張り詰めたシーンも多いけど、一緒にできるならぜひ、という感じでした。
――作品を観た時に、互いに「こういうところが良かった、印象的だった」というシーンを教えてください。
坂口:僕が好きなシーンは、もう最後の最後。瞳が目線をバッとあげるところが好きです。
永野:言ってくれていましたね。
坂口:あそこ、すごい好きなんですよ。
永野:私は、自分が撮っていないシーンもいっぱいあったので、出来上がった本編を観て純粋に「こうなってたんだ」と楽しむことができました。坂口さんが謎に迫っていくシーンの表情も好きでしたね。
――永野さんはピュアな役も似合うけど、意思の強い役も素敵だと前から思っていたんですが、この映画でもそういう面が見れたのかなと思いました。
坂口:意外と、ありますよね。共演して思いました。ピュアでふわっとしててかわいらしいところもあるんですけど、もうちょっと男前な部分がある。そうなんですよ、永野芽郁は!
永野:ありがとうございます(笑)。たぶん、皆さんが思うよりも、ガサツなんだと思います。もうちょっと、ざらざらした感じ。
坂口:イメージって周りが作るものでもあるから、難しいよね。でも、今までみたことのない姿も見れるんじゃないかなと思います。
永野:思います!
――坂口さんは、永野さんのどんな部分に対してそう思ったんですか?
坂口:自分で思っている瞳像がありつつも、ちゃんと現場の状態を察知してくれる方でした。なるべく穏やかにはいようと思ってるけど、どうしても現場がピリピリもすることもあると思うのですが、僕が見れる範囲から出てしまったところをケアしてくれたりもして、すごく頼り甲斐がありました。
――ちなみに、最近”ピエロ映画”が来てるな……みたいなところも感じるのですが。
坂口:『JOKER』あって、『IT』があって。
――『ハーレイ・クイン』(映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』)もあって。
永野:たしかに(笑)
坂口:今回は、ピエロのディテールがすごく秀逸だと思いました。まっすぐの髪で、左の口角が上がっている姿は、今まで見たことのないピエロ像だな、と。台本の段階では、表情が出なくて、動きで見せなければいけないだろうから、大変そうだと思っていたんですけど、実際現場では、片方からは笑ってるように見えるし、もう片方からは怒ってるように見える。絵として面白いですよね。ただ、夜の病院やピエロというモチーフで、怖いイメージを持ってしまう方もいると思うんですけど、メインは謎解きだと思って演じていたので、怖がらずに観に来ていただければ嬉しいです。