日本クレジットカード協会(以下、JCCA)は2月18日、「キャッシュレス社会実現に向けた消費実態の客観的把握」と題した調査結果を発表した。調査時期は2019年7月、調査対象は20代以上の個人。訪問留置調査により、1,000世帯から2万1,303件の家計消費支出明細データを収集した。
キャッシュレス決済の成長余地は年間73兆円
1,000世帯の家計消費支出データを分析の上、決済手段ごとの金額規模(年間)を推計したところ、決済額の総計は193.2兆円で、このうちキャッシュレス決済は120.2兆円、現金は73兆円となった。すなわち、キャッシュレス決済の成長余地(現金決済規模)は年間73兆円に上ると推計している。
決済シーンごとの現金とキャッシュレス決済の利用比率をみると、「店舗での支払」の43%、「定期的な支払」の93%、「EC」の88%でキャッシュレス決済が利用されていた(いずれも金額ベースの比率)。また、「店舗での支払」「定期的な支払」「EC」トータルの「家計消費調査からみたキャッシュレス決済比率(JCCA)」は、62%(120兆円)と推計している。
キャッシュレスツールの利用状況を調べると、「現金派」が36%、「使い分け派」が40%、「キャッシュレス派」が24%との結果に。同調査では、「現金派」を除く消費者層(キャッシュレスと現金の使い分け派)による現金決済規模を41兆円と推計し、これを狭義のキャッシュレス成長余地と位置付けている。決済シーンごとにみると、特に「店舗での支払」におけるキャッシュレス決済の成長余地は37.9兆円に上っている。