お金が貯まらない人の多くがまず最初に言う言葉の一つとして、「贅沢はしていませんが、お金が貯まりません」と。これは、いつの時代にもお金が貯まらない人のあるあるワードですが、「贅沢=お金が貯まらない」と考えているうちは、お金はいつまで経っても貯まらないでしょう。そこで今回は、お金が貯まらない人の特徴を紹介します。

気づけない

贅沢=お金が貯まらないと言っている人は、お金が貯まらない本当の理由を気付くことができていません。自分自身では贅沢をしているつもりはないが、お金が貯まっていない。これはつまり、それ以外にお金が貯まらない別の理由があることを示しているのです。しかし、「贅沢=お金を使う=お金が貯まらない」と考えている限りは、改善点に気が付くことができないでしょう。

もし思い当たるのであれば、1か月の出費を書き出してみましょう。クレジットカードの利用明細や公共料金などの引き落としだけではなく、日々の細かな出費もすべて書き出しましょう。レシートがあれば、レシートを集めましょう。レシートに記載された商品名と金額を見ながら、「必要なもので、安く買えたもの=〇」「必要なものだけど高く買ってしまったもの=△」「買う必要がなかったもの=×」とチェックしてみましょう。

そして、客観的に×がついたものがどのようなものだったのか、×が多く付くお店はどこなのか?と分析してみましょう。このことでわかることが、贅沢=×ではなくて、無駄=×であることに気付くでしょう。

この無駄と無駄な消費をする場所に気付けたら、無駄なものを買わない工夫を考えることができるでしょう。単純にそういった商品を買わない、お店へ行かないという方法もあるでしょうし、ものによっては自分で作る、代わりになるものを探すといった別の方法も考えることができるでしょう。

言い訳をする

お金が貯まらない人の多くは、「一人暮らしだから~」「収入が少ないから~」とお金が貯まらない理由を訴え始めます。しかし、一人暮らしをしていても、収入が少なくてもお金が貯まっている人はいます。

その大きな違いは何かと考えたときに、「一人暮らしだからお金が貯まらなくて当然」、「収入が少ないからお金が貯まらなくて当然」と完結させてしまっています。貯まらない理由があるからお金が貯まらなくても仕方がない。とお金が貯まっていないことを肯定してしまうことで、お金を貯められなくなってしまっています。心当たりがあるなら、お金が貯まらない理由を考えるのではなく、お金を貯める方法を考えることが大切です。

ほかにも、「頑張ったからこれくらい買ってもいいよね?」「家族が喜ぶからお菓子くらい買ってもいいよね?」「安いから買ってもいいよね?」とよくよく考えれば、必要のないものを言い訳しながら買って、いるケースもあります。心当たりがあるなら、本当に必要かどうかを立ち止まって考える癖を付けましょう。

先取りができない

お金が貯まらない人の中には、生活費が余ったら貯めようと考えている人もいます。それではいつまでたってもお金は貯まりません。貯めたいお金は先に貯蓄として別に口座に入金しておき、残ったお金でやりくりをすることが基本です。一人暮らしは最低でも毎月の手取り収入の10%以上、実家暮らしなら30%以上を先取り貯蓄に回しましょう。

ときどき、普通預金口座に100万円を貯めた状態で、残高が100万円を切らないようにただキープしているだけの方も見受けます。100万円の残高で満足するのではなく、その後のことも考えてさらに貯蓄額を増やすように、先取り貯蓄をしましょう。

お金の優先順位が付けられない

出費の優先度はその時々で変わるものです。例えば教育費が増えた場合、増えた教育費分をどこから捻出するのかを考える必要があります。現状の収入の中で、毎月の貯蓄額を減らすことなく増額分を賄えるのであれば問題ありませんが、常にギリギリの家計であれば早めに見直しをしないと、赤字になってしまいます。

見直す際は、レシートチェックにも通じる部分がありますが、まずは出費を書き出してから優先度が高い出費や貯蓄を書き出して、それらを手取り収入から引いて、残ったお金でやりくりをする必要があります。また、細かい生活費の見直しと節約も必要ですが、定期購入や定額制(サブスクリプション)、塾や習い事などの毎月もしくは年間でかかる出費にも優先順位をつけて、優先度が低いのであれば早めに解約をして出費を減らします。

お金が貯まらない理由は、贅沢ではなく、お金のかけどころや使いどころ、考え方に原因があることがほとんどです。思い当たる節があれば、ぜひ家計を客観的に見直してみて、何を増やして、何を削るのかを今一度考えてみるとよいでしょう。

丸山晴美(まるやま はるみ)

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外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している