人気お笑いコンビ、千原兄弟の千原せいじさんが11月22日、ついに公式YouTubeチャンネルを開設した。その名も「きいたんやけどおじさん」。

内容は、千原せいじさんが後輩芸人とともに、嘘か本当かわからない「聞いた話」をジャンルレスで次々展開するというものだ。構成は至ってシンプルだが、意外にも類似番組は見当たらない。

  • 千原せいじがYouTubeにかける本当の思いとは? 開設日の真相も

仕掛け人があの千原せいじさんだけに、いろんな暴露話や歯に衣着せぬ、ぶっちゃけトークを期待する視聴者も多いはずだが、実際、どのような思いで自身のYouTubeチャンネルを開設したのか。さっそく本人を直撃し、真相を聞いた。

■番組立ち上げは完全なる思いつきで、崇高な思いも志もない

―― ご自身のYouTubeチャンネル「きいたんやけどおじさん」のコンセプトですが、これはもともと温めていた企画なんですか?

「完全な思いつきなんですよ。友達の別荘で遊んでいたときに、『この別荘なんてハウススタジオとして貸せるんちゃうの』って話していたんです。貸したら結構借りる人おるやろ、YouTubeの撮影なんてうってつけやん、って話しているうちに『じゃ、やってみよか』って(笑)」。

―― もしかしたら「テレビじゃ言いたいことも言えないし、自分のチャンネルを開設してやる」みたいな意気込みかとも思ったのですが。

「そんな崇高な思いも志もないので、変な期待を持たれるのが一番ツライかも(笑)。もともとYouTubeをやろうと考えていたわけでもないし。本当に『俺たち時間もあるし、みんなで話さない? 』ってだけですよ。つい先日も30〜40代のオッサン4〜5人で集まって、500mlのペットボトル1本で3時間もべちゃくちゃ話してましたもん」。

■目指すのは「クラスの3人だけが喜ぶ、マニアックな番組」

―― 純粋に「しゃべるのが好き」というのが原点なんですね。具体的にどんなチャンネルを目指しているんですか?

「学校で例えると、クラスの3人くらいに支持されるものでいい。みんなが見向きもしないなかで、3人だけがむちゃくちゃ喜んでくれれば嬉しいんですよ。僕たちにとって越前屋俵太さんのラジオがまさにそれ。マニアックでいい。だから、この『きいたんやけどおじさん』がムーブメントになったりすると正直、具合が悪いんです(笑)」。

―― 「YouTuberになって一旗揚げてやる! 」と意気込む人も多くなりましたが、真逆へと走るあたり、せいじさんらしい気がします。

「YouTubeを仕事として成立させるのは、片手間じゃ無理です。Youtuberは、その道のプロです。テレビタレントも漫才師もその道のプロですけど、テレビとYouTubeはまた毛色が違う。僕の場合は、自分が楽しめないと長続きもしない。なので、人のためというよりは、僕が喋べることで、『きいたんやけど』を吐き出す場所がない人の話を僕自身が聞きたいんです」。

■自分自身があらゆる業界の「きいたんやけど」を聞きたい

―― そんな狙いもあったんですね。

「ライター界にもあるはずですよ。例えば、『あのタレントは、まず最初にこの質問すれば機嫌がよくなるよ』なんて、いかにも『きいたんやけど』としてありそうやし。いろんなジャンルの話を聞きたい。解体業者、カバン職人、タクシードライバーもいい。その人にとっては何気ない『きいたんやけど』が、他の業界ではめちゃくちゃ面白いはずですもん。

そう言えば、『大工さんは家を建てている途中で、その家庭が幸せになるかどうかがわかる』って話も聞いたことがありますね。ホンマかはわかりませんよ? でも、そういうのを掘っていくと面白いんですよ」。

―― 視聴者から「きいたんやけど」を募集してもいいかもしれませんね。

「新年くらいにやってみようかな。シンプルにみんなの『きいたんやけど』が聞きたいですもん。『きいたんやけど、唐揚げってカレー粉入れたらちょっと美味くなるらしい』みたいな、『いや、どうでもええわ! (笑)』っていうのでいいんですよ。みんな、絶対にそんな話があるはずですから」。

■「いい夫婦の日」にチャンネルを開設した真相とは?

ーーところで、チャンネルの開設日時を、11月22日の「いい夫婦の日」にした意図は何だったのでしょうか?

「『きいたんやけどおじさん』はチームでやっていて、そのへんは任せていたので、アップした担当者の洒落やと思いますよ(笑)。最初に11月22日にスタートするって聞いたときは特に何も知らずに『おお、そか』って。でも後で気づいたら『いい夫婦の日』…… 何なんこれ、恥ずっ! って(笑)」。

ーードッキリだったんですか(笑)。最後に、今後の「きいたんやけどおじさん」についての意気込みを教えてください。

「とりあえず、みんなにも参加してもらいたいです。言いたいけど発表する場がない『きいたんやけど』を、全部ここで発表してほしい。そこには評価もないし、優劣もないから。今は週2ペースでアップしていますけど、年明けからは週3ペースで更新するので、ぜひチャンネル登録してください。よろしくお願いします! 」。