回転寿司チェーン「スシロー」や大衆寿司居酒屋「鮨・酒・肴 杉玉」などを運営する、スシローグローバルホールディングスは12月5日に都内で記者会見を行った。

記者会見では、代表取締役社長 CEOの水留浩一氏、取締役常務執行役員の木下嘉人氏、堀江陽氏が登壇し、スシローの今期の施策や今後の展望を語った。

2019年のスシローの成長

はじめに、代表取締役社長 CEOの水留浩一氏から2019年度の業績についての解説が行われた。

  • スシローグローバルホールディングス代表取締役社長 CEOの水留浩一氏

    スシローグローバルホールディングス代表取締役社長 CEOの水留浩一氏

2019年度は、スシローの海外展開が進み韓国や台湾のほか、新たに香港とシンガポールに出店を果たした。どちらも客足は良く、収益化を含めて今年度は出店を加速していきたいと考えを示した。

大衆寿司居酒屋として国内12店舗が展開されている「鮨・酒・肴 杉玉」は、順調に出店が進み12月には初のフランチャイズ店舗が大阪に出店した。いくつかの会社とフランチャイズの話が進んでおり、今後は直営店舗とフランチャイズ店舗のどちらも出店を進める予定とのこと。フランチャイズ店舗の存在がグループの成長に寄与していくと想定している。

「スシロー」は増税後も堅調な業績

「スシロー」を経営するあきんどスシローでは、今年10月に堀江陽氏が代表取締役に就任した。任期の始まりである10月は、消費税の増税で売り上げの落ち込みが予想されたが、昨対比は10月で105.4%、11月で110.0%と堅調に進んでいるという。売り上げが伸びた要因として、堀江氏は「100円の商品を中心に、価値のある商品を提供したことで多くのお客様に来ていただけた」と分析した。

  • あきんどスシロー代表取締役社長の堀江陽氏

    あきんどスシロー代表取締役社長の堀江陽氏

堀江氏は、今後寿司屋の基本に立ち返ること、取り巻く環境に合わせて働き方をアップデートさせることを目標としているという。シンプルな食べ物ゆえ、シャリの出来で味が変わってくる寿司の基本に立ち返り、より良い寿司を提供するために改めて教育を行っていきたいとのこと。そして、働き方が変化している時代に合わせ、人事制度や働き方を見直すほか、外国人アルバイトでも同じクオリティで寿司を提供するための施策をを考えていくという。

「杉玉」はフランチャイズ展開を進めていく

「鮨・酒・肴 杉玉」では、現在国内に12店舗を構え、既存店舗では昨年を超える売り上げがあったとのこと。スシローグローバルホールディングス取締役常務執行役員で、スシロークリエイティブダイニング取締役を務める木下氏は、2019年12月に初めてフランチャイズ店舗を出店したことに対して、今後フランチャイズ店舗を拡大していきたいと考えを示した。

  • スシロークリエイティブダイニングの取締役を務める木下嘉人氏

    スシロークリエイティブダイニングの取締役を務める木下嘉人氏

スシローグローバルホールディングスの中でフランチャイズ形態や新たなビジネスモデルに挑戦したいとし、今年度はフランチャイズ店舗を含め22~26店舗まで出店を伸ばすことを目標としている。直営店とフランチャイズ店は半々ほどでの出店を考えているとのこと。合わせてスシローグループならではの調達力、購買力を活かした、他社に真似できないお得感のある商品を生み出していきたいとしている。