10月7、8日に囲碁の第44期名人戦七番勝負第5局(主催:朝日新聞社)が静岡県「あたみ石亭」で行われ、芝野虎丸八段が張栩名人を破り、見事に4勝1敗で名人を獲得しました。芝野八段は19歳11カ月。10代での七大タイトル獲得は囲碁界では史上初の快挙となりました。
将棋で10代のタイトル獲得は2人だけ
では将棋界においてはどうでしょうか? 将棋の歴史において10代でのタイトル獲得は2例あります。まずは羽生善治九段。1989年に行われた第2期竜王戦で、19歳2カ月で初タイトル竜王を獲得しました。史上初の10代のタイトルホルダー誕生ということで大きな話題になりました。
空前絶後に見えた大記録でしたが、そのわずか1年後に屋敷伸之九段がとてつもない記録を打ち立てます。1990年の第56期棋聖戦で中原誠棋聖を破り、18歳6カ月でタイトルを獲得したのです。この記録は達成から20年近くがたった今も破られていません。
現在、この記録を塗り替える可能性があるのは藤井聡太七段のみ。王将戦では挑戦者決定リーグに進出しており、記録の更新に期待がかかっています。
ちなみに、芝野八段は19歳で名人を獲得しましたが、将棋の場合は名人を獲得するためには順位戦というリーグ戦を毎年上位に入って勝ち上がる必要があり、すべて順調に勝ち進んだとしても名人獲得には最低でも5年はかかります。そう考えると、将棋の谷川浩司九段が持つ「21歳での名人獲得」もとてつもない記録だといえます。