7月30日、第9期リコー杯女流王座戦本戦2回戦の西山朋佳女王―藤井奈々女流1級戦が行われ、西山女王が勝ってベスト4一番乗りを果たしました。

妹弟子の藤井女流1級に完勝

  • 今年里見女流四冠(当時)の挑戦を退けタイトルを防衛、二冠を目指す西山女王

本棋戦はマイナビ女子オープンとともに、女性奨励会員、アマチュアにも参加資格のあるオープン棋戦。4月に東西でアマチュア予選が行われ、勝ち抜いた各3人、計6人の選手は一次予選に参加できます。また、ネット上で海外招待選手選抜大会も行われ、優勝者1名は一次予選に参加できます。一次予選からは女流棋士(シード以外)、奨励会員が登場。参加、不参加自由のエントリー制です。全参加者が3~4人のブロックに分かれ、トーナメントで二次予選進出を争います。二次予選は1対1の勝負。勝者が本戦へと進みます。

本戦は16人によるトーナメント。里見香奈女流王座への挑戦権を争う今期トーナメント表は画像の通りです。

  • 第9期リコー杯女流王座戦本戦トーナメント表

30日の対局は、両者とも伊藤博文七段門下の「同門対決」。棋風は序盤で飛を角のほうへ移動し、飛がもといた側に玉の囲いを築く「振り飛車党」同士とあって、「相振り飛車」の戦型へと進みました。タイトル保持者であり姉弟子の西山女王が好点に角を打って攻撃を開始すると、妹弟子の藤井女流1級は防戦一方で力の出ない展開に。流れは最後まで変わらず、攻撃の手を緩めなかった西山女王が自身の囲いにまったく手の付いていない状態で藤井女流1級を投了に追い込みました。完勝と完敗。勝負の内容は厳しいものでしたが、感想戦は同門らしく、20代の女性らしく、両者に笑顔が見られました。

女流棋士ではなく現役奨励会員の三段で、史上初の女性四段誕生の期待が懸かっている西山女王。現在行われている第65回奨励会三段リーグ戦では序盤でつまずいたものの、盛り返してこれまでの成績を6勝6敗(※全18局)の五分としています。本局ではその実力を存分に発揮しました。

今期本戦で勝ち残っている女流棋士は、タイトルホルダーが1人、タイトル保持経験者が3人、タイトル挑戦経験者が2人、タイトル戦未経験者が1人となりました。

次に行われる2回戦は岩根忍女流三段―山口恵梨子女流二段戦。8月5日の対局となります。