商談や会食のみならず、社内での日々の雑談や飲み会など、ビジネスにおいてコミュニケーションが占める割合は非常に多いです。特に、社会人1~5年目のいわゆる若手は、先輩や上司からいただく、ありがたい(?)ボケやいじりに上手く対応することも仕事だったりしますよね。そこで役に立つスキルが「ツッコミ力」です。
「ツッコミ力」とは?
ここで言うツッコミ力とは「適切に相手に反応する」力を指します。
TVで活躍しているお笑い芸人のように、絶妙なフレーズを使用したり、笑いを取ったりする必要はありません。会話の中で自然に相手にツッコミを入れるだけで、コミュニケーションは円滑に進むのです。
ビジネス・コミュニケーションに関する書籍でも、ツッコミの重要性に触れられているものは多く、ツッコミに限定した書籍も出版されているほどです。
今回筆者は、舞台を中心に活動をしているお笑い芸人の方に、ツッコミのコツをヒアリングしてきました。ビジネス上で簡単、且つすぐに実践出来るものを3つお伝えします。
1.マインドセットを変える
まずは、「面白い返しをしなければならない」という思い込みを捨ててください。
後述しますが、気の利いた切り返しをいきなり行うのは、プロの芸人でもハードルが高いことです。ビジネスにおけるツッコミは、笑いではなく、ホスピタリティと考えてみましょう。
他者の変化や行動に気付いて指摘したり、相手の冗談をなるべく無視せず反応してみたりしてください。「あいつはよく気がつくな」「ノリが良くなったな」と言われたら、ツッコミ力が上がってきた証拠です。
ノリが良さそうに見えるということは意外と重要で、筆者も飲みの席で上司が「〇〇(社員の名前)はノリが悪いからなぁ……」と愚痴っているのを何度も聞いたことがあります。
元々のテンションの明るさに違いはあると思いますが、相手が投げかけてきたことには、とりあえず応えておくのがオススメです。
2.とにかくすぐに反応する
つぎに、ボケられたり、イジられたりしたら、セリフは何でも良いのでとにかく反応しましょう。
「ちょっと何ですか!? 笑」程度のもので構いません。
上司や先輩から話をふられた時、少しでも時間が空くと勝手にハードルが上がり、こちらも面白いことを言わなければならない、みたいな空気になります。ネタ中であるならともかく、日常の会話の中ですぐに気の利いた返しをするのは、プロの芸人の方でも難しいことです。芸人の方も、まずは素早く反応し、並行して気の利いたワードを考えていることが多い、とのことでした。
3.事前準備をしておく
最後に、よく出くわすシチュエーションに対し、どう反応するか事前に考えておきましょう。そうすると、場を盛り上げられる確率がかなり上がります。
具体的には、
・上司が良く言うボケ
・普段イジられる内容
・業務上で発生することが多い内容
に対して、返すフレーズを5個程度準備してみるのです。
「いや、芸人を目指しているわけじゃないしそこまでは……」という方がほとんどだと思いますが、気が向いた時でも良いのでやってみてください。
やる人がほぼいないということは、やるだけで価値が上がりやすいということです。
打ち返すセリフがブラッシュアップされると、頭の回転が速いと褒められたり、センスが良いと褒められたりすることが増えます。
強いワードをつくるには?
気の利いた言い回し、強いワードをつくるコツは、全てを書くとそれだけで記事が書けてしまいますので、番外編として簡単なコツだけお伝えします。
それは、「類義語とレトリックを意識してインプットする」ことです。
●類義語が必要な理由
同じことを伝えるにも、少し単語を変えるだけで印象が大きく変わります。
例えば、「とても~」と伝えたいときでも
・S級の~
・筋金入りの~
・~の極み
と変えるだけで、伝わり方が違いますよね。
●レトリックが必要な理由
レトリックとは、言葉を効果的に使用するための技術です。直喩・隠喩などの比喩や、擬人法なども含まれます。
「例えツッコミ」が上手い人は自然にレトリックを使用していますし、学ぶと文章力の向上にもつながります。興味を持った方はぜひ調べてみてください。
今回はビジネス・コミュニケーションに必要な「ツッコミ力」の基本を紹介しました。どれもすぐに試せるものばかりですので、今日から意識して実践してみましょう。