社会の少子高齢化で、大きく揺らぐ老後の生活。先日、金融庁が公表した報告書では、「高齢期を迎えた夫婦が老後30年、安心して暮らすには年金だけでなく2,000万円の貯えが必要」との試算を示し、大きな議論を呼んだ。

超低金利の時代、貯蓄だけでは難しい。そこで、初心者向けの株式投資本『株は夢をかなえる道具』(祥伝社)の著者で、元グラビアクイーンで株タレントの杉原杏璃さんに、「初心者が知るべき」5つの株活ルールを伺ったので2回に分けて紹介したい。

  • 元グラビアクイーンで株タレントの杉原杏璃さん(写真:マイナビニュース)

    元グラビアクイーンで株タレントの杉原杏璃さん

投資は始めなければノーチャンス

著書で「株は夢をかなえる道具」と語る杉原さん。23歳で株を始め、5年目で1,000万円の利益を出し、今では1億円の利益を上げているという。素人同然で株式投資を始めた彼女が、成功できたのはなぜか。

「まずは勇気を出して、株式投資を始めたこと。投資と聞くと、ハードルが高いと思う人が多いかもしれませんが、とにかく始めなければチャンスはありません。そのうえで、投資のマイルールを決めたのが、成功したポイントだと思います」

ルール1:新しい情報から関連会社を連想

実際、投資初心者だった杉原さんが実体験のなかで編み出したルールだけに、これから株式投資を始めようと思う人には、大いに参考になる。

「まずは新しい情報に出会ったら、関連会社を連想すること。株を始めたら、街の風景が違って見えるようになります。例えば、都心の空き地で新たなビルを建てる看板を見かけることがあるでしょう。建つのが『○○ヒルズ』だったら、建築を請け負っている会社の業績が上がることはもちろん、そこに出店する会社の業績も上がる可能性も高い。それなら買いです」

著書でも書いているとおり、得た情報からあれこれ連想するのは楽しいことに違いない。これなら投資初心者でも、すぐに実践できるルールだ。

  • 投資家目線で街を歩くという

    投資家目線で街を歩くという

ルール2:安定した会社への投資で利益はコツコツ

「次に3~10%の利益が出たら売ること。初心者は特に、大きく儲けようと思わず、コツコツ利益を上げることが大切です。大きく儲けようと思うと、値動きの激しい銘柄を選びがちです。でも、そうした銘柄は損するリスクも大きい。

それよりも、値動きは少なくても安定している、例えば日経225(※)に採用されている大手に投資して、ある程度の利益が出たら、売って利益を確定するのです。私はもっと上がるだろうと思って売らずにいたら、突然、ガクンと値下がりして、売るタイミングを逃してしまったことを何回も経験しました」 ※東証1部上場銘柄のうち、代表的な225銘柄をもとに算出した株価指数。

株式投資の格言に、「まだはもうなり。もうはまだなり」という言葉がある。株価が上昇していると、まだ上がると思いがちだが、そこはもう天井であり、株価が下落しているとき、もう下がらないと思って買うと、まだ下がって損をするという意味だ。数々の失敗を経験してきた杉原さんの言葉は、重みがある。

  • 大きく損をしないことを心がけるという

    大きく損をしないことを心がけるという

ルール3:スマホとタブレットを使い分ける

「3つ目が、スマホは売買用、タブレットは見る用と使い分けること。ネット証券なら、どちらでも売買できますが、慣れていないと操作ミスをしがちです。操作ミスで私は、1時間で100万円の損を出したことがあります」

スマホとタブレットの操作は、同じタッチパネルだが、画面の大きさが違う。慣れていないと、操作ミスをすることは十分に考えられる。ひとつの入力ミスが、大きな損につながるため、注意したいポイント。また、1年や半年、月間、1日など一定期間の値動きが時系列で分かるチャートを見るには、画面が大きいタブレットのほうが便利だという。

これらのルールは投資を始めた最初から決めておらず、試行錯誤しながら編み出したもので、自身の経験に裏付けされた重みと実用性に富んだ内容ばかりだ。次回は残りの2ルールを紹介する。

取材協力:杉原杏璃(すぎはら・あんり)

タレント
広島県出身、グラビアクイーンとして雑誌、バラエティ番組にも多数出演、最近では小説の発表や10年前からの株式投資が話題になり株タレントしても活動の幅を広げている。