タイムズ24はカーシェアリングサービス「タイムズカーシェア」に電気自動車(EV)100台を導入する。2019年8月から東京都、神奈川県、埼玉県に展開し、その後は大阪府など全国に展開する方針だ。利用料金は一般的なクルマに比べて高くなるのかと思いきや、必ずしもそうではないらしい。
充電状況は利用者に応じて調整
タイムズ24がEV100台の導入を決めた背景には、世界的な進展を見せる自動車業界の「EVシフト」がある。米国、中国、欧州などを筆頭に、世界では自動車の環境負荷を低減すべく、内燃機関(エンジン)を積むクルマを減らし、バッテリーとモーターで走るEVを増やそうとする動きがある。タイムズ24の想定によれば、EVシフトは今後、加速度的に進むという。
タイムズカーシェアでは現在、全国で4台のEVを展開しているが、これを一気に増やす。タイムズ24でタイムズカーシェア事業部長を務める齋藤章氏によれば、EVの利用料金を一般的なクルマ(ガソリン車やハイブリッド車など)と区別するかどうかについては、現時点で検討中とのこと。EVは車両価格自体がまだまだ割高だし、充電設備の設置などにコストもかかるので、普通であれば利用料金は高めの設定となりそうだが、利用促進のため、あえて低価格とする案もあるという。そのあたりは「利用者の声に向き合いたい」とのことだった。
カーシェアのEVには「充電カード」が積んであるので、バッテリー残量に不安を感じた場合は、高速道路のサービスエリアなどに設置されている急速充電設備を使うことができる。タイムズ24では一部の車両にWi-Fiを設置し、EVを「空間」として貸し出すような事業モデルも試してみるそうだ。EVはパワースイッチを押し、エアコンを付けても静かなので、動く「作業空間」のように活用できれば、確かに便利かもしれない。
EVをカーシェアで稼動させるとなると、管理が難しそうなのが充電状況だ。例えば、15分しか利用しない顧客に対し、フル充電のクルマを貸し出すのは効率がよくない。タイムズ24では利用者のプランに応じて充電の量を調整し、効率よくEVを稼動させていく考え。万が一、顧客がEVの利用を望んでいるのに全てのクルマが充電中といったケースが発生しても、同社では1つの場所に複数のクルマを配置しているので、その顧客に別のクルマを利用してもらう「振り替え」で対応可能だという。