俳優の香取慎吾が5日、都内で行われた主演映画『凪待ち』(6月28日公開)の完成披露試写会に、共演の恒松祐里、西田尚美、音尾琢真、リリー・フランキー、白石和彌監督とともに登壇した。2017年9月に「新しい地図」としてスタートした香取だが「新しい道を歩み始めて、初めてのひとりの映画。プレッシャーや緊張、ちょっと気負いすぎている部分もあった」と告白。白石監督の映画として「素晴らしい映画になっていた」と喜びを語り、さらなる役者業への意欲を燃やした。
2018年6月~7月に石巻市を中心に撮影された本作は、人生どん底まで墜ちきった男のバイオレンスと狂気、怒りと裏切り、不条理と悲劇、そして、切ない暴力を描いた衝撃のヒューマンサスペンス。あるきっかけをもとに墜ちる所まで堕ちきった男・郁男を香取が演じた。香取は「心ズタズタ」「毎日誰かにボコボコにされた」と苦笑いを見せつつも、「これ以上の(過酷な)役でも、どんな役でももう一度ご一緒したい。リリーさんや音尾さんのように『白石組を観たら僕がいる』というぐらい、自分も参加できたらうれしい」と再タッグを望むなど、白石監督に惚れ込んだ様子だ。
香取にとって「今までは正義感にあふれていたり、困っている人がいたら走り寄って問題を解決する役が多かった。今回はそれに背を向けるような役。これまでに演じたことのない役で、どうしようもない男」と新境地となったが、リリーは「男の色気を感じた。強烈な色気。撮影期間もそれにドキドキしながら過ごした」、郁男の恋人役を演じた西田も「大スターなのに、現場ではやさぐれた感じの郁男になっていた。石巻で椅子に座って風に吹かれている香取さんの姿が、大好きでした」と香取の演技を大絶賛だった。
アーティスト、歌手、俳優などさまざまな活動を行なっている今、記者から「今の肩書きは?」と聞かれる一幕も。香取は「今日は俳優。俳優の雰囲気を出してます」とお茶目に語り、「僕を素材として何かやってみたいと思ってくださる方がいれば、ぜひご一緒したいです」とアピールした。
またこの日は、お笑い芸人・山里亮太と女優・蒼井優の結婚が明らかとなり、完成披露イベント後に行われた囲み会見でこの話題を振られた香取は「ハッピーですよね。本当なら」と疑いの目を向けて、記者陣も大爆笑。結婚報告会見が行われていることを耳にして、「じゃあ、本当なんだ!」と目を丸くし、リリーも「ファンタジーを感じる。夢があるなあ」としみじみと語っていた。