NTT東日本の事業を体感できる「NTT東日本 Solution Forum 2019」が5月21~22日に都内で開催された。さまざまな社会問題に対してのNTT東日本の取り組みが紹介されるなか、とりわけユニークだったのが現在白熱している「e-SPORTS」に関する話題だ。

本稿では、当日行われた「e-SPORTS事業への取り組みについて」セミナーの模様をお伝えしたい。

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    ※画像はイメージです

「e-SPORTS Project Team」プロジェクトリーダーである影澤潤一氏は、NTT東日本とベンチャー企業が協力して新しいビジネスを作っていくという、俗にいうオープンイノベーション系の業務を行っている人物。もともとは格闘ゲームのプレイヤーであり、自分でイベントを行ったりもしていたそうだ。

NTT東日本がe-SPORTS市場を支援

e-SPORTSは、専用施設を中心に平日、休日に限らずイベントが開催されており、若年層を中心に大きな盛り上がりを見せている。2019年10月には「いきいき茨城ゆめ国体」の文化プログラム事業として「ウイニングイレブン 2019」「グランツーリスモ SPORT」「ぷよぷよeスポーツ」のeスポーツ大会が開催され、現在日本各地で予選が開催中だ。

日本のe-SPORTS市場の規模は、2018年の段階で48.3億円に達しており、食品会社、飲料会社、福祉、人材派遣といったゲーム業界以外からの進出も増加中。今後さらに市場が拡大していくことは間違いないだろう。そんなesportsの普及を後押ししつつ、e-SPORTSを自治体からの町おこしや若者誘致として活用するための支援を行うのが、NTT東日本のe-SPORTS Project Teamだ。

さまざまなジャンルがあるe-SPORTSだが、NTT東日本ではひとまず格闘、スポーツ、デジタルカードゲーム、パズルなどをメインに扱っていくという。その理由は日本のお家芸でありプレイヤーが豊富なこと、そして、日本メーカーのタイトルが多いことにある。海外ではMOBAやFPSが人気だが、前者はルールの分かりにくさ、後者は暴力表現というハードルがあり、日本での普及や理解はまだ先になるだろう影澤氏は説明する。

e-SPORTSとフィジカルスポーツの違いとは

e-SPORTSと一般的なフィジカルスポーツの違いについて、影澤氏は「感動をシェアしたい」という共感の強さを挙げる。e-SPORTSは、試合の様子をインターネット上でリアルタイム配信するだけでなく、プレイヤー同士が試合を見ながらコメントしあったり、自ら配信したり、エールを送ったりすることもできる。

昨今の大会では、イベント会場に来なくても会場の雰囲気を感じられるような配信を行うのがトレンドだという。一方で、イベント会場でも、試合の様子を間近に見ながらスマホで配信画面を見ながらコメントをする観客の姿がみられるそうだ。

最近では著名人の参入も増えており、ゴールデンボンバーの歌広場さんなどは格闘ゲームで良く知られているそう。ふらっとプライベートで大会に参加して、上位に残る腕前とのことで、ゲーマー以外にもe-SPORTSの魅力を伝えるきっかけの1つになっている。

e-SPORTS事業が目指す方向性

e-SPORTS Project Teamは、esportsを事業として具体的にどのような方向に導こうとしているのか。影澤氏は、「NTT東日本のアセットを使った、地域に人を呼び込む町おこし」と説明する。NTT東日本が持つ局舎や回線、関連会社などを利用したゲームイベントによって集客を行い、聖地巡礼(ブランド化)を促し、そして周辺観光地へ観光客を誘致するという好循環を作り出そうというのが狙いだ。

e-SPORTSの大会の開催には、ゲームの使用許諾、周辺機器メーカーのスポンサード、プロチームや解説者の出演、大会の宣伝、地域メディアの協賛、配信プラットフォームの準備、イベント会場の手配といったさまざまな業務が発生する。ノウハウがなければ難しいこれらのやり取りをNTT東日本が担当し、地域で安心してe-SPORTSを楽しめる機会、場所、設備を提供してくれる。

すでにいくつかの事例もあり、東京・秋葉原で開催された「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」ではICTサプライヤーとして参画、陸前高田で行われた茨城国体予選では技術協力を行っているという。

「我々NTT東日本は、ICTソリューションを軸にe-SPORTS事業を展開しまして、地域の活性化および文化の醸成に貢献していきたいと思っています」と影澤氏はe-SPORTS事業への高い意欲を見せた。