JR西日本、瀬戸内海汽船、国土交通省中国運輸局は8日、「せとうちエリアの海事観光の振興に向けた連携協力に関する協定」を締結。同日、JR西日本と瀬戸内海汽船は2020年夏をめどに、これまでになかった観光型高速クルーザーを開発・導入し、鉄道と船舶を組み合わせた新たな観光周遊ルートの構築・発展に着手すると発表した。

  • 観光型高速クルーザーのイメージ

「せとうちエリアの海事観光の振興に向けた連携協力に関する協定」は、瀬戸内海とその周辺エリアの観光誘客拡大に向け、地域関係者相互の連携により、魅力ある海事観光コンテンツの開発、受入れ環境の整備と情報発信の機運を醸成、促進することを目的として締結。「海事観光の振興」をテーマにした官民の協定書の締結は国内初という。

連携事項として、せとうちエリアにおける海事観光の振興に向けた「鉄道と船舶とを組み合わせた周遊ルートの構築や新規航路開発による観光客誘致」「島嶼部および港湾部等における観光コンテンツ整備およびインバウンド観光客の受け入れ環境整備」「鉄道や二次アクセス、海上交通間でのシームレスな移動の促進」「地域振興に向けた地域産品の開発」「災害時等における船舶活用を通じた連携・協力」「各取り組みにかかる情報発信」が発表されている。

観光型高速クルーザーの海上周遊ルートは、JR西日本と瀬戸内海汽船が2018年から企画・販売してきた、瀬戸内海汽船グループ保有の高速船「はやしお」で島々をめぐるツアー「せとうち島たびクルーズ」の立寄港をベースとした基本ルート(とびしま海道エリア~しまなみ海道エリア)を検討。その他、旅行会社などのニーズに対応し、瀬戸内海での貸切運用なども検討している。

新造船舶のイメージは、瀬戸内の多島美をぜいたくに楽しめるスーパーヨット型のデッキを備えた観光型クルーザーで、長時間の乗船に適し、島々の観光地を効率よく巡ることができる高速船とした。旅行会社によるチャーターにも適した90人程度の座席定員を確保し、外国人観光客も快適に利用できる船内案内設備を備えるという。