長年、家計のやりくりの取材をしていて実感することは、お金を貯めるのに年収は関係ないということです。年収が高くても、出て行くお金が多ければ貯まりません。

反対に、年収が少なくても出費を抑えて貯蓄にまわせばお金は貯まっていきます。要するに、貯まるか、貯まらないかは「収入」ではなく、「生活の仕方」にあるということなのです。

では、どのような生活をするとお金が貯まるのでしょうか? 今回はそれを考えてみます。

貯めている人の生活には無理がない

お金を貯めている人とは、貯まる生活習慣が身についている人のことです。「習慣」になっているので無理がありません。朝起きたら顔を洗うように、夜寝る前にトイレに行くように、貯まる習慣が暮らしに馴染んでいます。はたから見ていても、無理して節約している印象はありません。

貯まる人が実践している「貯まる習慣」を6つピックアップしてみました。

貯まる生活習慣1:買い物をしたら必ずレシートを受け取る

使ったお金を家計簿に記入するので、その資料としてレシートは必ず受け取ります。家計簿はお金を使ったその日のうちにつけます。

1日分なら、すぐ記入できるので手間がかかりません。週末にまとめてとなると面倒になって、家計簿が挫折することに。

貯まる生活習慣2:レシートを30秒見つめる

スーパーやドラッグストアなどで買い物した場合、家計簿にはレシートの合計金額だけを記入して、買ったものを細かく記入することはしません。ただし、レシートを30秒間じっと見つめて、どんな買い物をしたのか、冷静に見直し、無駄な買い物がなかったかをチェックします。

貯まる生活習慣3:お金を下ろすのは月1回に限定

お金を貯めている人の大半は、お金を下ろすのは月1回に限定しています。1カ月に現金でやりくりする分を決めているので、その金額分だけをまとめて1回下ろすだけです。手元のお金がなくなるたびに、ちょこちょこ下ろすことはありません。

貯まる生活習4:月1回、通帳を記帳する

通帳の記帳をしないという人もいるようですが、貯まる人は、月1回お金を下ろすついでに通帳を記帳します。住宅ローン、水道光熱費、クレジットカードの支払いなど、口座から引き落とされるものを確認するためです。さらに引き落とされた金額を家計簿に記入することで、金額を再確認します。

たとえば、貯めている人に「電気代はいくらくらいですか?」と質問して、答えられない人はいません。自分が毎月何の支払いにいくら使っているか把握しています。

貯まる生活習慣5:カード払いをしたら、その分を取り分ける

クレジットカードは便利なものですが、支払いが翌月や翌々月になるので、支出を管理しにくくなります。貯まる人の家計管理は、「その月の出費はその月でまかなう」が原則。もしカード払いをしても、その金額を「カード払い」と書いた封筒に取り分けて、引き落とし口座に入金します。

貯まる生活習慣6:財布にお札をそろえて入れる

長財布を使うか、二つ折り財布を使うかは、人それぞれですが、貯まる人で財布の中がゴチャゴチャしている人はいません。財布からお金を出すとき、おつりを受け取るとき、帰宅したとき、家計簿をつけるとき……といったタイミングで、財布の中を整理することが習慣になっています。レシートなどが貯まって整理されていない財布の中は、お金の流れが見えにくくなってしまいます。

新しい習慣を取り入れるのは、最初のうちは意識して行う必要があります。でもそこを乗り越えれば、少しずつ身についていくはず。一度に全部できなくてもいいので、できそうなことからぜひ始めてみてください。続けることができる習慣があれば、自分に向いているということです。継続することで、あなたもきっと“貯まる人”になれます。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。