4月17日、第50期新人王戦の大橋貴洸四段―里見香奈女流四冠戦が関西将棋会館で行われます。
男性棋士とも戦う最強女流 里見女流四冠の奮闘に期待!
大橋四段は2016年10月プロ入り。2017年度は46勝12敗[0.793]で全棋士中勝率2位、2018年度は37勝16敗[0.698]で8位と、コンスタントに高勝率を挙げる期待の若手棋士です。通算勝率85勝33敗[0.720]も藤井聡太七段(117勝20敗[0.854])、永瀬拓矢七段(314勝120敗[0.724])、千田翔太七段(222勝85敗[0.723])に次ぐ4位(※極端に対局数の少ない新人を除く)。2018年度は3つある若手棋戦のうち加古川青流戦、YAMADAチャレンジ杯の2棋戦で優勝を飾り、年度優秀者を表彰する将棋大賞の「新人賞」に選ばれています。また、ファンに魅せることを意識し、盤上で工夫した序盤を披露するほか、紺やグレー系のスーツを着用する棋士が多い中で、対局日に明るいブルーやエンジのスーツを着用することでも有名です。(※記録は2019年4月14日まで)
里見女流四冠は2018年度、対男性棋士の公式戦で7勝8敗[0.467]と大健闘を見せました。女流棋士はプロ公式戦において最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績を収めると女流棋士ではない「プロ棋士」への編入試験受験を希望できます。里見女流四冠は2018年3月、年齢制限により奨励会を退会した際、編入の意思がないと語っていますが、これからも5割に近い星を挙げ続けたなら、良い所取りの6割5分は実現してもそう不思議ではない数字でありましょう。
2018年8月、第90期ヒューリック杯棋聖戦一次予選の藤井七段―里見女流四冠戦が行われ、里見女流四冠は敗れはしたものの、最強10代を相手に序盤から中盤にかけては互角かそれ以上にわたり合いました。藤井七段と言えば、2017年度の活躍が評価されて将棋大賞の新人賞を獲得した棋士。17日の相手、大橋四段は藤井七段とプロ同期、そして「新人賞棋士」かつ「高勝率棋士」という点も共通しています。見紛う事なき強敵ですが、女流棋戦では四冠を保持し、さらに五冠目、六冠目に手を掛けている最強女流、里見女流四冠はどう戦うのか。注目しましょう。