東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まで残り500日を切り、各地で様々な関連イベントが開催されている。ANA(全日本空輸)は3月16日、横浜ランドマークタワーのイベントスペースで大会を身近に感じられるスポーツ・文化体験会を開催。休日のショッピングモールが親子連れで賑わった。

  • ANAが五輪500日前イベント開催 - 浅尾美和と成田緑夢が参加

    ANAが東京2020大会に向けて、オリンピック・パラリンピックを身近に感じられるスポーツ・文化体験会を開催した

家族連れで賑わったイベント

本イベントは、東京2020オリンピック・パラリンピックオフィシャルエアラインパートナーを務めるANAによる催し。東京2020大会に向けた気運の醸成を目的にしている。会場では5人制サッカー(ブラインドサッカー)の体験会、およびIKENOBOYSによる生け花のワークショップを実施した。オリンピックと生け花は、直接的には結びつかないようにも思えるが、ANAの関係者によれば「オリンピックを機会に、日本文化を世界に発信していければ」とのことだった。

  • ブラインドサッカー体験会の様子。目を布で覆い、耳だけを頼りにボールを蹴る難しさに参加者は四苦八苦。ゴールを決めると、ギャラリーから大きな歓声が上がった

  • こちらは、生け花のワークショップの様子。ブラインドサッカー、生け花のワークショップともに、参加者にはANA特製フライトタブがプレゼントされた

  • 生け花の指導にあたったIKENOBOYSの方たち

成田緑夢は東京を目指していた

トークセッションには、元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんと、平昌パラリンピック 男子スノーボード バンクドスラロームの金メダリストである成田緑夢(なりたぐりむ)さんがゲスト登壇。

浅尾さんは「年配の方は、いまでも1964年の東京オリンピックについて、世界最高のプレイヤーをこの目で見たんだ、と生き生きと話されます。自分も、その経験をしたいんです」と笑顔で語る。

  • 元プロビーチバレー選手の浅尾美和さん

成田さんは「母国で開催されるオリンピックということで、ワクワクしています。2018年の平昌オリンピックでは、ゴールラインを切ったときの歓声がすごかった」。そして、いま正に東京五輪の出場も目指していると明かした。「開催地が東京に決まったときから、夢に思い描いてきました。何か始めなければと思って、走り高跳びの練習を開始しています。可能性はゼロに近いけれど、ゼロじゃない。よし、頑張ってみようと思って。チャレンジするだけでもワクワクするんです」。

  • 成田緑夢さんは、東京大会への出場を目指していると公言

成田さんの発言を受けて、浅尾さんは「私も出たいと思うけれど、行動するまでは至らなかった。成田さんはすごい。頑張っている姿に、こっちまで力を貰えますね。現役時代はビーチバレーで海外を転戦してきました。アウェーでの戦いが続いたわけですが、ホームでプレイできる現役の選手は本当に幸せだと思う。応援が選手の力になることを知っているので、私は大きな声で応援していきたいと思います」と話した。

  • 東京2020大会に出場したい、と夢を語る成田さんに浅尾さんはエールを送った

ANAでは、文化・言語・国籍・年齢・性別・障がいを問わず、多くの人がストレスなく利用できる施設・商品・情報・サービスを提供する"ユニバーサルなサービス"の実現を目指している。現在は、車イスに座ったまま搭乗手続きを行えるローカウンターを全国の空港に設置中で、金属探知機に反応しない樹脂製の車イスの導入も進めている。これについて、成田さんは「自分も半年間、入院していたので車椅子を経験しました。この樹脂製の車イスは軽いし乗りやすい」。またローカウンターについて、浅尾さんは「空港スタッフの方が同じ目線で対応してくれるので、安心感がありそうです」と話した。

  • ANAが導入を進めている金属探知機に反応しない樹脂製の車イス、車イスに座ったまま搭乗手続きを行えるローカウンターを体験する浅尾さんと成田さん

子育てに忙しい浅尾さんは、ベビーカーがラクラク通過できるほど幅がワイドになった搭乗ゲートについても「春休みで、子どもを連れて旅行される方も多い時期だと思います。グズった子どもをベビーカーに乗せたまま通過できると、とても助かります」と母親の目線からメリットを説明した。

  • ANAの搭乗ゲートは、ベビーカーが通過できるほどワイドに拡張

オリンピックの開催まで500日を切った。浅尾さんは「世界中から訪れる外国人を迎える玄関口として、空港が果たす役割は大きいと感じています。1人でも多くの人に、日本の素晴らしいところをアピールできたら。こんなに優しい国なら、また旅行したい、と思ってもらえたら最高ですね」と語る。

成田さんは「眼の前の一歩に向けて、全力で取り組んでいきます。オリンピックに出場できるか否か、先のことは考えても仕方ない。今日のトレーニング、明日のトレーニングを大事にすることで、良い成績につながると信じています」と、自分に言い聞かせるように話していた。

  • イベントスペースに設置された、大きなパネルの前で記念写真を撮る家族の姿も多かった