西山朋佳女王への挑戦権を争う第12期マイナビ女子オープン本戦準決勝の里見香奈女流四冠―礒谷真帆女流初段戦が2月13日、関西将棋会館で行われ、里見女流四冠が勝って加藤桃子奨励会員の待つ挑戦者決定戦へと進出しました。

新鋭礒谷女流初段の攻勢にヒヤリも逆転勝利

逆転で挑戦者決定戦進出を決めた里見香奈女流四冠

逆転で挑戦者決定戦進出を決めた里見女流四冠

礒谷女流初段は今期スタート時にはアマチュアだった女流棋士で、主にアマチュアが出場し、勝ち抜けば予選への出場権が与えられる「チャレンジマッチ」に参加して4連勝で予選入り。予選でも勢いは止まらず、何とプロ3人を連破して本棋戦初の本戦入りを果たしました。

本戦1回戦、対中村真梨花女流三段戦が行われた2018年10月3日時点ではまだアマチュアでしたが、勝利により女流棋士になる条件のひとつである「マイナビ女子オープン本戦ベスト8入り」を満たし、11月20日の2回戦、対岩根忍女流三段戦を前にプロ転向。デビュー戦となった2回戦も勝って準決勝に進みましたが、厚い壁にはばまれ残念ながら快進撃はストップとなりました。

しかしながら本戦で実力者2人を倒し、また本局も終盤の入り口で1手のミスが出るまで、積極策が功を奏して第一人者の里見女流四冠に対し優位に局面を進めました。この活躍は、高校2年生、プロになってまだ3カ月少しの新人がファンに顔と名前を覚えてもらうには十二分なものだったと言えるでしょう。

チャレンジマッチ出場時の礒谷真帆女流初段

チャレンジマッチ出場時の礒谷女流初段

里見女流四冠は今期女流棋戦において、第29期女流王位戦五番勝負で渡部愛女流二段(当時)に1-3で敗れ失冠した際の3敗と、2月10日に行われた第45期女流名人戦五番勝負第3局で伊藤沙恵女流二段に敗れた1敗、合わせて4敗しかしておらず、今回の勝利を入れて年度成績16勝4敗、勝率を8割の大台に乗せました。本対局では礒谷女流初段の攻めにヒヤリとさせられましたが何とか逆転、第一人者としての面目を保ちました。

これにて、今期もいよいよ挑戦者決定戦を迎えます。里見女流四冠と加藤奨励会初段の女流棋戦においての対戦成績は里見女流四冠の14勝6敗で、直近も5連勝中と圧倒していますが、棋戦との相性を見ますと里見女流四冠が女王獲得1期に対し、加藤奨励会員は獲得4期の実績があります。そして、挑戦者決定戦は一発勝負。果たしてどうなりますでしょうか。