オールアバウトは12月21日、「親の介護」に関する調査結果を発表した。調査は11月19日~22日、30~69歳の介護経験者657名(男性219名、女性438名)、および35~49歳の介護未経験者436名(男性220名、女性216名)を対象に、インターネットで行われた。
介護経験者に聞く「親の介護の実態」
はじめに、介護を始めた自身の年齢を尋ねたところ、45~54歳(35.9%)が最も多く、44歳以下で介護をすることになった人は34.6%。「介護に対する心構えができていなかった」人は6割にのぼった。介護期間については、多い順に「4~10年未満」(20.9%)、「1~2年未満」(17.5%)、「2~3年未満」(14.1%)と続き、「10年以上」という人も11.9%いることがわかった。
続いて、介護期間中の就業状況について調査したところ、男性の83.6%、女性の60.7%が「働いていた」と回答。うち、「介護が始まる以前から仕事の状況は変わりない」人は男性56%、女性38.7%だった。
一方、「会社に相談し、働き方を調整した」(男性20.0%、女性19.9%)、「調整がききやすいよう、雇用形態を変更した」(同4.0%、6.4%)、「会社の制度を使い、働き方を調整した」(同8.0%、4.5%)と、男女ともに約3割が働き方などを変えたことが明らかに。介護のために「転職」した人は男性5%、女性7.5%となり、「仕事を辞めた」人の割合は男性6%に対し、女性は20.7%にのぼった。
さらに、介護期間中に未成年の子供がいた世帯は34.6%と、約3割が介護・仕事・子育てを同時期に行っていたことがわかった。
次に、介護で辛かったことを尋ねると、「精神的な負担が大きいこと」(60.9%)が最も多く、次いで「今後どうなるか見通しがつかないこと」(44.3%)、「肉体的な負担が大きいこと」(40.8%)が4割台、さらに「自由な時間がなくなること」(34.1%)や「仕事との両立」(30.4%)が3割台で続いた。
「事前に準備しておけばよかったと思うこと」としては、「介護にかかわる心構えや覚悟」(48.9%)、「介護サービスや介護制度についての理解」(48.6%)、「介護に関する情報収集」(43.4%)が上位に並んだ。
介護未経験者に聞く「介護への備えと意識」
同調査では、まだ介護を経験していない35~49歳の人を対象とした意識調査も実施している。その結果、およそ9割が親の介護の準備をしていないと回答。一方で、すでに「親の体調への不安がある」人は6割にのぼった。
介護に関するお金・役割分担・仕事の両立など介護に関連するトピックスについて、それぞれ共感度を尋ねたところ、共感度が低かったのは、「親を介護施設に入れるべきではない」(23.1%)、「介護は主に長男や長女がするべき」(18.4%)など。
一方、共感度が最も高かったのは「介護の費用は親のお金が足りなければ自分で出すべき」で69.5%が「そう思う」と回答。次いで「役割分担などは介護が始まってから家族で話し合うべき」(66.0%)、「親に体調を聞くと『大丈夫』と言われるので、当面は大丈夫だと思う」(58.3%)、「親が元気なうちに介護の話はしたくない」(51.6%)と続いた。
また、42.2%の人が「親が寝たきりになったら離職も考える必要がある」と回答しており、寝たきり状態となった場合には、仕事を継続するのが難しいと考える人も多くいることがわかった。