12月22日より公開される映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』(監督:山口恭平)のプレミアイベントが9日、東京・ユナイテッドシネマ アクアシティお台場にて開催され、仮面ライダークウガから仮面ライダージオウまでの「平成仮面ライダー」20人と映画の主要キャストが登壇した。

  • 前列左から、水上剣星、武田航平、高田夏帆、赤楚衛二、犬飼貴丈、奥野壮、押田岳、大幡しえり、渡邊圭祐

平成仮面ライダーとは、2000(平成12年)に放送を開始した『仮面ライダークウガ』から始まる、新世代の仮面ライダーシリーズの総称である。数年のブランクを経て創り出された『仮面ライダークウガ』は、"仮面ライダーブランドの復活"だけでなく、新たな時代を切り拓くパワーを秘めたヒーローという側面を備え、子どもから大人まで幅広い年齢層に好評を得た。これ以来、1作ごとに斬新な世界観やキャラクター設定などを盛り込んで個性豊かなシリーズが作り続けられ、今年(2018年)でついに20作目を数えるに至った。平成最後の"冬"を迎える今、平成仮面ライダーが私たち視聴者に残してきたものはいったいなんだったのか。今回の映画は、「平成という時代を駆け抜けた"仮面ライダー"という存在」を見つめ直し、シリーズ20作品それぞれを愛するファンの方々に改めて感謝の気持ちを伝えるような内容になっているという。

会場には取材マスコミのほか、東映特撮作品の配信アプリ・東映特撮ファンクラブ(TTFC)会員の中から選ばれた「応援隊」のみなさんが着席し、「変身待機音~変身音」を響かせながら階段より一人ずつ降りて来る歴代平成仮面ライダーの勇姿を興奮気味に見守っていた。

記念すべき平成仮面ライダーの1作目として、今なお根強い支持を集める『仮面ライダークウガ』(2000年)、ミラーワールドで仮面ライダー同士が最後の1人になるまで戦い抜くという異色の設定が貫かれた『仮面ライダー龍騎』(2002年)、身体を鍛え抜くことで変身し、音撃の力で魔化魍を退治する異色の『仮面ライダー響鬼』(2005年)、オートバイではなく自動車に乗って戦った『仮面ライダードライブ』(2014年)など、作品ごとに大きく基本設定やキャラクター像を変化させてきた平成仮面ライダーがそれぞれ得意なポーズを決めると、客席の子どもたちを中心に熱き声援が巻き起こり、盛大な拍手に包まれた。

平成仮面ライダー集合の際に流れていた音楽は、歴代シリーズの主題歌20曲が浅倉大介によってリミックスされた「仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER メドレー D.A. RE-BUILD MIX」。本曲にかける意気込みを語る浅倉のコメントが、MCによって読み上げられた。

「お話をいただいたときは、平成仮面ライダーシリーズを観ていた者として、また音楽に携わる者として、えっ? そんなことできるのかな、という驚きと喜びでいっぱいでした。僕の音楽人生の中で、小室哲哉さんと一緒にPANDORAとして『仮面ライダービルド』主題歌『Be The One』で関わらせていただいたのはとても大きなことだったので、『さあ、実験を始めようか』という気持ちでチャレンジする楽しさと、平成仮面ライダーたちへのリスペクトを込めてリミックスしました。仮面ライダーという、日本の子どもたちにとって大切で大好きなヒーローを愛するすべての方々に、『なんかいける気がする』と思っていただけたら、いち仮面ライダーファンとしても、こんなにうれしいことはありません」と、浅倉は巧に『ビルド』と『ジオウ』の決めゼリフを盛り込んだ粋なコメントで、20作の歴史の重みを込めた本作のメインテーマを作り上げた思いを明かした。

続いて、映画で活躍する『仮面ライダージオウ』(2018)と『仮面ライダービルド』(2017年)の出演者がステージに現れた。

仮面ライダージオウ/常磐ソウゴを演じる奥野壮は、「『ジオウ』にとって初の映画なので、今はもう『早く(映画が)観たい』その気持ちでいっぱいです!」と、まだ完全には出来上がっていない本作の完成を心待ちにして、早く作品を観てみたい思いをあらわにした。

仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツを演じる押田岳は、「平成最後の"仮面ライダー映画"ということで、みなさんの期待も大きいと思いますが、よい作品になっていますのでみなさんよろしくお願いします!」と、真摯な姿勢で映画の内容に期待するファンに向けてコメントした。

ツクヨミ役の大幡しえりは「映画の公開日が迫ってきた今、『ジオウ』のテレビ放送を今か今かと待っていたときと同じようにドキドキしています。みなさんもぜひ劇場へ映画を観に来てください」と、公開日を待ち遠しく思う現状の気持ちを語った。

預言者ウォズを演じる渡邊圭祐は、「『ジオウ』初の映画作品を、『ビルド』の方々と一緒に作り上げることができました。間違いないものができたと思っていますので、ぜひ観に来てください」と、本作の大きなアピールポイントである『ジオウ』と『ビルド』の共演について触れ、映画を多くの人々に観てもらいたいと話した。

『ビルド』チームには、勢ぞろいした平成仮面ライダーの中で"憧れていた"ライダーは?という質問が投げかけられた。

仮面ライダービルド/桐生戦兎を演じる犬飼貴丈が「僕は仮面ライダーカブト。天道(総司)に憧れていました。(カブトに)お会いできて光栄です」と語ったとたん、直立していたカブトが敏感に反応して天を指さす得意のポーズを取り、客席を沸かせていた。

仮面ライダークローズ/万丈龍我を演じる赤楚衛二は、「僕が子どものころ観ていたのはクウガ、アギト、龍騎です。こうやって好きだった仮面ライダーと会えたのはうれしいです」と興奮気味に語ると、やはり壇上のクウガとアギトがうれしそうなそぶりを見せた。

石動美空役の高田夏帆は「ごめんなさい! 私は『プリキュア』派だったもので、仮面ライダーを観ていないんです。だからやっぱり『仮面ライダービルド』がいちばん好きです(笑)」と、少女時代の思い出ではなく、出演者として仮面ライダービルドへの愛着の強さをうかがわせた。

仮面ライダーグリス/猿渡一海を演じる武田航平は「僕は『仮面ライダーキバ』(2008年)で仮面ライダーイクサに変身していた紅音也に憧れていましたね(笑)」と、自身が10年前に演じていたキャラクター・天才バイオリニストの紅音也に思いを馳せていた。

仮面ライダーローグ/氷室幻徳を演じる水上剣星は、「僕もあまり仮面ライダーはわからないですけれど、強いていうなら仮面ライダーマッドローグですかね(笑)」と、少年時代に憧れた仮面ライダーが存在しないため、『ビルド』劇中で仮面ライダーローグを脅かした強敵・仮面ライダーマッドローグ/内海成彰(演:越智友己)が最も印象的だったと語った。

本作のコピー「時代が終わる すべてが始まる」にちなんで「平成が終わるまであと5か月、これだけは平成のうちにやっておきたいということは?」という問いが全員に寄せられた。奥野は「海のきれいな海外へ旅行に行きたい。ベタですけれどハワイに」と言い、押田は「この4人で遊んだことがないので、一度みんなでどこかに遊びにいきたい。ディズニーランドにでも」と答えた。

すると武田から、「遊びに行くんだったら平成が終わってからも行けるじゃないか。もっとデカいこと言ったら」と鋭いツッコミが入る一幕もあった。大幡は「私は国内で一人旅をしてみたい。自然が多く、人の少ない場所」と、優雅な一人旅を今後の目標とするようなコメントを返した。渡邊は「やりたいことではなく、やりたかったことですが、海外に住んでみたかった! 言葉や環境の違う方々と一緒に暮らすというのは、そうとう楽しいことですから。以前セブ島に行ったことがあるのですが、そこで7年くらい住みたかったな」と、海外での生活を夢見ていたことを明かした。

犬飼は「『ビルド』としてはやり残したこと、思い残したことはない」と語りながら「新しいことを始めるとすれば、自動二輪の免許を取ったのでバイクで走ってみたい。日帰りで温泉に行くとか」と、『ビルド』の撮影中に乗ることができなかったオートバイに乗ってみたいという夢を明かした。

赤楚は「ちょっとお高い、高性能な"枕"が買いたいですね」と、体型にフィットした高級な枕が欲しいことを明かしたが、武田が「そんなことなら今日俺が買ってやるよ」と太っ腹な発言をしたため、隣の高田が「じゃあ私にも!」とリクエストし、武田が苦笑しながら「なんでだよ! でもみーたんならいいよ!」という愉快なやりとりを見せた。また、高田が「平成が終わるまでに、自動車免許を取りたい」と言うと、武田は「ずっと教習所へ通ってるんですよ。もう9か月だって!? 教習の期限切れちゃうよ」とキツめの反応。犬飼や赤楚からも「去年から(免許取りたいと)言ってたよね!?」と呆れ気味なリアクションを取られてしまった高田は「その話やめます。平成最後までに髪を染めたい!」とあわてて話題を変え、周囲を笑わせた。

武田は「平成にやり残したことはないんですけれど、平成が終わるのが怖い。僕と剣星さんは昭和生まれなので、平成の次の元号になれば昭和がどんどん遠くなってしまう気がして、怖くて……」と、平成生まれの若いキャストの中で、昭和世代の大人である2人ならではの焦りを表していた。水上は「平成が終わるまでにヒゲを剃りたい」と、幻徳のトレードマークである"ヒゲ"からの脱却を宣言した。

最後に、犬飼と奥野に「自分にとって仮面ライダーとはどういう存在か」という質問が投げかけられた。犬飼は「いつまでもラブ&ピースを届けられるような存在になっていればいいなと思います」と、仮面ライダービルドの基本理念を織り交ぜながら力強いコメントを残した。奥野は「ジオウは平成から新しい年号へ、時をかけて進んでいきます。僕にとって仮面ライダーとは、時代をまたにかけるヒーローだと思っています」と、さわやかな笑顔と共に語っていた。

映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』は2018年12月22日より、全国東映系劇場にてロードショー公開される。