国立がん研究センターはこのほど、魚をほとんど食べないことが大動脈疾患(大動脈解離・大動脈瘤)による死亡リスクを増加させるとする筑波大学などとの研究結果を発表した。

  • 【魚摂取頻度と大動脈疾患(大動脈瘤・解離合計)死亡】

    【魚摂取頻度と大動脈疾患(大動脈瘤・解離合計)死亡】※ハザード比は魚摂取頻度が週1から2回の群を基準とし、性別、年齢、Body Mass Index、喫煙、飲酒、地域を調整。図中の丸はハザード比を、その上下の棒が95%信頼区間の範囲を示す

大動脈疾患(大動脈解離・大動脈瘤)は、近年高齢化に伴って死亡率がやや増加傾向にあり、大動脈瘤が破裂したり大動脈が裂けたりすると急速に死に至るとのこと。

調査は国内8つの追跡研究から、36万人以上を統合した解析を行い、食習慣アンケート調査を実施。魚摂取頻度を、「ほとんど食べない」「月1回から2回」「週1回から2回」「週3回から4回」「ほとんど毎日」の5つの群に分けて調査した。

結果、魚摂取が「週に1回から2回」の群と比べ、「ほとんど食べない」群の大動脈疾患死亡が1.9倍高い結果となった。また、「月1回から2回」「週1回から2回」「週3回から4回」「ほとんど毎日」の死亡リスクの差は、ほとんど変わりがなかったという。

大動脈疾患は主に動脈硬化が基盤として生じるため、心筋梗塞と同様に魚がその予防に働く可能性が考えられていたが、その科学的エビデンスはほとんどない状況だった。同センターによると、魚摂取と大動脈疾患死亡との関連を疫学的に示したのは今回が初めてになるとのこと。

  • 【魚摂取頻度と大動脈瘤・解離死亡】

    【魚摂取頻度と大動脈瘤・解離死亡】※ハザード比は魚摂取頻度が週1から2回の群を基準とし、性別、年齢、Body Mass Index、喫煙、飲酒、地域を調整。図中の四角と丸はハザード比を、その上下の棒が95%信頼区間の範囲を示す

今回の結果を受け、同センターは「魚をほとんど食べないような非常に魚の摂取頻度が少ない場合に、大動脈疾患で死亡するリスクが上がり、魚摂取が少なくとも月1回から2回食べていれば大動脈疾患で死亡するリスクは高くならないことがわかりました。魚の摂取が極端に少なくならないことが大動脈疾患死亡を予防するために重要だと考えられます」とコメントしている。