9月25日、東京・日本橋に新たな商業施設「日本橋高島屋S.C(ショッピングセンター)」新館がオープンする。日本初上陸を含む115店舗のテナントが入る同施設、オープンに先がけてその中から注目店舗を紹介しよう。
新・都市型ショッピングセンターとは
今回オープンする同施設は、今年創業85周年を迎える日本橋高島屋の「新館」として本館の隣に新たに建設された。地下1~7階のフロアにはフード、ファッション、雑貨、レストランなど115の専門店が入る。
「日本橋のオフィスワーカーやベイエリアのファミリー層などを中心とした、"日本橋生活者"への場の提供がコンセプトです」と、同施設を運営する東神開発の清瀬和美氏は話す。
「新・都市型ショッピングセンター」と言うように、この新館は百貨店のような休日に家族でお出かけする特別な場所ではなく、もっと身近な生活の場として日常的に利用してもらうのが狙いだ。
フロアの構成を考えるにあたって、オフィスワーカーが出勤する早朝から街頭調査を行い、「朝ごはんはコンビニしかない」「朝空いている数少ないカフェはいつも満席」といった声を聞いたのだそう。
また、ベイエリアの居住者には共働き世帯が多いが、妻が仕事帰りに夕飯のおかずを買いたくても「日本橋は夜が早く、買い物ができない」といった声もあった。
そういった声を受けて、デリカテッセンなど1階の半分の店舗が早朝営業として7時半から営業、地下の食料品売り場は21時まで、成城石井は23時まで営業するというフロア構成となっている。そのほか、シューリペアやヨガスタジオ、5階のスターバックスも7時半から営業する。
「地下鉄日本橋駅直結となっていますので、お店を利用されなくても、地上への"抜け道"として通勤に使っていただけたらいいなと思っています。そうして地域のみなさまに愛される施設にしたいというのが私たちの想いです」(清瀬氏)
日本初、商業施設初出店が多数
今回新館には、日本初出店、商業施設初出店、新業態の店舗も多く出店する。
日本初出店となる「Maison Bremond 1830」(1階)は、コスメブランド「ロクシタン」の創業者オリヴィエ・ボーサン氏がオーナーのグルメグローサリー。フランス・プロヴァンスのオリーブオイルやトリュフ塩などが並び、ちょっとした手土産やギフトにも使えそう。
また、代々木の人気ベーカリー「365日」(1階)は商業施設初出店。朝7時半からの営業、イートイン併設で、朝食やちょっとしたカフェなどに気軽に利用できる。日本橋限定商品にも注目だ。
茶道や本棚専門店も
関東エリア初出店となる「茶論 中村政七商店」(4階)では、オリジナル茶道具の販売のほか、喫茶、茶道の稽古も行われる。21時まで営業しているので、趣味として仕事帰りに茶道のお稽古、という新しいライフスタイルを提案している。
新業態での出店となるのが、本棚専門店「HummingBird Bookshelf(ハミングバードブックシェルフ)」(5階)だ。テーマに合わせてセレクトされた本が本棚とセットになって販売されている。
来春グランドオープンへ
今回の新館オープンで、本館・東館・ウォッチメゾンと合わせて日本橋高島屋S.Cは4館体制となる。本館の百貨店でも順次リニューアルが行われており、来春の本館改装完了、屋上庭園「日本橋グリーンテラス(仮)」の完成をもってグランドオープンとなる。
オフィスの開発ラッシュやベイエリアのタワーマンション建設で、さらに人が集まる街になってゆく日本橋エリアに今後も注目だ。