ニーチェの言葉に、こんな一節がある。「男が本当に好きなものは二つ。危険と遊びである」。ビジネスマンの皆さん、ちゃんと遊んでいますか? 忙しない毎日に追われて久しく遊んでないという人も多いのでは? それじゃあストレスが溜まっても仕方がない。だって好きなことを我慢しているのだから。ここでは、アウトドア・レジャー専門の予約サイト「SOTOASOBI」の創業者にして、そとあそびのプロ・山本貴義さんに、『ビジネスマン×そとあそび』のメリットについて話を伺ってみた。
そとあそび研究家・山本さんは、年間100日も外で遊ぶ!?
アウトドア好きの人なら一度は利用したことがあるに違いない「SOTOASOBI」。サイトで紹介しているのは、全国各地のアウトドア・レジャーの中から、同社独自の安全基準を満たした満足度の高いツアーのみとあって、初心者からもリピーターからも人気が高い。2004年の設立以来、どんどんユーザー数が増え続けている同サイトだが、これは創業者の山本さん自身が大のそとあそび好きであり、「そとあそびの楽しさをもっと多くの人に知ってほしい!」という想いから生まれたサービスだという。
「以前、アメリカ・ワイオミング州にあるグランドティトン国立公園のジャクソンホールという場所に行ったとき、その自然の素晴らしさに感銘を受けたんです。よく考えてみると、小さい頃から公園でキャンプをしたり、学生時代もアウトドアに出掛けたり、自分はずーっとそとあそびに触れて生きてきたことにも気づきました。でも、世間的には自然との関わりが薄くなってきていると感じていましたので、『もっとそとあそびの楽しさを広めたい』という想いで始めたのが『SOTOASOBI』のサービスです」
「SOTOASOBI」の創業を決心した山本さんは、国内外のアウトドア・レジャーを取材・体験して回りながら、自身もツアーガイドとして働き、サイト運営に必要なそとあそびの知識やスキルを身につける。そして2004年に同サイトをオープンした。
サイトで紹介するアウトドア事業者は『すべて取材する』というモットーのもと、今なお山本さんは全国各地のアウトドア・レジャーを巡っており、なんと日数は年間100日以上とのこと!
「久しぶりに家に帰っても、子どもたちに『キャンプがしたい!』とせがまれて、自宅の庭でテント泊をすることも多々あります(笑)」
そんな筋金入りのそとあそび研究家・山本さんに、『そとあそびの魅力』、『ビジネスマンがそとあそびをすべき理由』について伺っていきたい。
『ビジネスマン×そとあそび』のメリットとは?
「インドア派だから、休みは自宅でテレビを観ていたい」「身体を動かしたり遠出したりすると疲れそう」なんて考えている人、多いのではないだろうか? 『ビジネスマン×そとあそび』のメリットについて、山本さんは次のように話す。
「もともとは人間も自然の中で生活していた生き物ですので、現代のようなインドアな生活は知らず知らずのうちにストレスが溜まってしまうもの。一日中デスクワークというビジネスマンの方も多いと思いますが、休みの日にそとあそびをして自然と触れ合うことで普段の生活では感じられない『リラックス効果』が得られると思います」
さらに山本さんは、下記のようなメリットも得られると続ける。
・アクティブレスト(積極的休養)の効果
「疲れているときにこそ軽く体を動かすことで、血流が改善され、疲労物質が排出されるという『アクティブレスト』に近頃注目が集まっています。自然の中に身を置くことで心身ともにコンディションが整うという感想をよく聞きます」
・睡眠の質が向上する
「いくら寝ても疲れがとれない、という人も多いと思います。そとあそびに出掛け、日光を浴びながら身体を動かすことによって、質の高い睡眠が得られるという人も多くいます」
・チームビルディングに役立つ
「最近は企業研修にアウトドア・レジャーを取り入れる会社も増えてきています。キャンプや川下りなどのアウトドア体験では、チーム力が求められるさまざまな場面にも直面します。それらを乗り越えることによってチームビルディングにも役立ちます」
『そとあそび』を取り入れた働き方
同サイトの運営会社である「SOTOASOBI」と親会社「アカツキ」では、2018年6月から「SOTOASOBI」を福利厚生で活用している。その内容は、社員のアクティビティ費用を1人あたり5カ月で5万円まで補助するという夢のような制度。「そとあそび制度」として他の企業への導入も提案中だ。
導入以来、多くの社員が制度を利用しており、「仕事仲間と、いつもと違う会話ができた」「そとあそび後、一緒にランチや飲み会に行くようになった」……などなど、その反応も上々だという。実際、今回の取材にご協力してくださったそとあそびのスペシャリストである山本さんは、健康的で活発でポジティブなエネルギーに満ちていて、話しているだけでこっちまで元気をもらえる。
そんな山本さんの取材を通じて感じたのは、『いい遊びは、いい仕事につながる』ということ。次の休日、ぜひ職場の仲間を誘ってそとあそびに出掛けてみてほしい。