9月5・6日、東京都立産業貿易センターにて「クリスマスおもちゃ見本市2018」が開催された。クリスマス商戦に向けた玩具メーカー各社のイチオシ商品が一堂に会する同見本市は、今回で38回目の開催となる。

  • 会期初日には、小売および流通業者約1,000名の事前投票により決定した「おもちゃ屋が選んだクリスマスおもちゃ2018」の結果が発表された

今年のクリスマス商戦を占う見本市

夏休みのおもちゃ商戦もひと段落し、業界は早くもクリスマス商戦に向けて動き始めている。今回の見本市には「タカラトミー」や「バンダイ」をはじめ、47社の玩具メーカーが出展した。クリスマス商戦は玩具業界において最大の需要期であり、それに続く正月商戦と合わせて年間売上の約40%を占めるといい、各メーカーも展示に力を入れている。

今回の見本市に先立ち「おもちゃ屋が選んだクリスマスおもちゃ2018」と銘打たれた人気投票が行われ、「男の子向け」「女の子向け」「知育・幼児」「ゲーム・パズル」「バラエティ」各カテゴリーの順位が会場にて発表されるという催しも。この人気投票で選ばれたアイテムをもとに、今年のクリスマスおもちゃのトレンドを読み解いてみよう。

やはり鉄板! がぜんヒーローものが強い男の子向け玩具

男の子向け玩具で1位を獲得したのは、「変身ベルト DXジクウドライバー(バンダイ)」だ。平成最後の仮面ライダー『仮面ライダージオウ』は、歴代平成仮面ライダーの力を使って戦うタイムトラベルライダーという設定。ベルトのギミックも実際の番組と遜色ない仕上がりとなっている。いつの時代も仮面ライダー変身ベルトは強いということだ。

  • 光と音の演出が迫力満点な「変身ベルト DXジクウドライバー」

3位に選ばれた「ゾイドワイルド(タカラトミー)」や4位の「シンカリオン(タカラトミー)」など、男の子向けとなるとやはりキャラクターものの強さは圧倒的。しかしながらどれもデザインがスタイリッシュで、細部の作り込みもさすがのひと言。

  • 12年ぶりに復活した『ゾイド』の最新作「ゾイドワイルド」

  • 新幹線からロボットに変形する「シンカリオン」

女の子には新感覚の“サプライズ”トイが人気

女の子向けの玩具部門では、「L.O.L.サプライズ! シリーズ(タカラトミー)」が1位を獲得。紐を引っ張るとカプセルから人形が飛び出す仕組みになっており、「サプライズトイ」として注目されている。アメリカ生まれの玩具で、「開けるまで何が出てくるか分からない」、「コレクション性がある」、「驚きの要素がある」といったコンセプトが話題に。世界でなんと累計5億個以上も売れたというすさまじい人気っぷりなのだとか。

  • 紐を引くと人形が飛び出す「L.O.L.サプライズ!」

  • 集める楽しさもある豊富なシリーズ展開

そのほかにも「WHO are YOU?(セガトイズ)」や「パーリーポップス! シングルポップ(バンダイ)」など、各社が「サプライズトイ」のラインナップを揃えており、今後も引き続きこのカテゴリーには注目が集まりそうだ。

  • 毛玉ちゃんを水でじゃぶじゃぶ洗うと、別の姿に変身するという「WHO are YOU?」

  • 本体を回すとキュートなドールが飛び出す、クラッカー型のサプライズトイ「パーリーポップス! シングルポップ」

アナログからデジタルまでラインナップ

知育・幼児玩具部門では、「ロジカルルートパズル(くもん出版)」が1位に選ばれた。同商品は、ボールが同じ色のゴールへ入るように通り道を作り、楽しみながら論理的思考力を養うパズル。難易度ごとにレベル分けされた問題が多数用意されており、対象は4歳から大人までと、幅広い年代で楽しめる商品となっている。

  • 親子で楽しめるパズルゲーム「ロジカルルートパズル」

他社のラインナップがデジタル製品を占める中、このようなアナログ商品が人気となっているのは、デジタルガジェット過多なユーザーの原点回帰なのかもしれない。

往年のボードゲームが不動の人気

ゲーム・パズル部門で1位を獲得したのは、もはやボードゲームのド定番と言える「人生ゲーム(タカラトミー)」だ。今年で発売50周年を迎え、リニューアルを重ねながら進化してきた「人生ゲーム」は、現在のモデルで7代目となる。同じく創刊50周年を迎えた「週刊少年ジャンプ」とコラボした製品が登場するなど、その勢いは衰えるところを知らない。

  • 50周年プロジェクトとして動いている各種企画も要チェックな「人生ゲーム」

そして2位には、今年で発売60周年となる「野球盤」の最新モデル「野球盤3Dエース モンスターコントロール(エポック社)」がランクイン。投球が9方向へコントロール可能となっており、それに合わせてバッターにも高低差を打ち分ける機能が追加されるなど、さらにアツい駆け引きが味わえる仕上がりに。

  • 男性なら誰しも一度は遊んだことがあるであろう「野球盤」は、今なお進化を続けている

バラエティ部門はタマゴからトイレットペーパーまで

バラエティ部門では「うまれて! ウーモ ナゾたま(タカラトミー)」が1位という結果に。同商品は、タマゴを自分の手で温めてあげることにより、「ウーモ」がカラを割って出てくるという「サプライズトイ」の一種である。タマゴの段階で「ウーモ」は色と音を発し、何をしてほしいかを伝えてくれる。タマゴから出てきたあとも、歩き方やおしゃべり、ダンスを教えるなどして、成長していく過程をお世話しながら楽しもう。

  • ベビー→キッズ→ジュニアと、成長に応じて徐々にできることが増えていく様子も愛おしい「うまれて! ウーモ ナゾたま」

5位に入賞を果たした「トイレットペーパーブラスター(シー・シー・ピー)」は、家庭用のトイレットペーパーを弾に利用した驚きの銃だ。空気を圧縮して濡れたトイレットペーパーを発射し、約9メートルもの最長飛距離を誇る。撃った弾は紙なので当たっても痛くなく、処理も楽で安心して遊べる。

  • 「トイレットペーパーブラスター」で気分はスナイパー! ※人や動物に向けて撃たないようにしましょう

  • 1ロール(25mダブル)で約650発もの弾丸を乱射できる

昔ながらの定番から新しいジャンルまで、クリスマス商戦へ向けた話題のおもちゃが勢揃いした見本市。果たして、おもちゃ好きな子供のハートを射止めるのはどんな商品だろうか。全国のサンタさんも、クリスマスへ向けて日々進化するおもちゃ業界のトレンドをチェックしておこう。